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【オープニング】 00 OP(ジョルノ アヴドゥル DIO 重ちー 荒木) 【深夜】「0時~」 01 『ゲームスタート』(花京院典明 リゾット) 02 「未知との遭遇」(墳上祐也 リキエル) 03 盲目の狙撃手(ジョンガリ・A) 04 『老い』の超越者(プロシュート ギアッチョ ストレイツォ) 05 ドッピオ、兄貴に出会う(ディアボロ エルメェス) 07 無題(東方仗助 セッコ) 08 試練かもしれん(プッチ神父) 09 『吉良吉影は静かに暮らしたい』(吉良吉影) 10 風は 吹き 始める(ワムウ) 11 ヘヴィだぜ…(空条承太郎) 13 「不安」と「安心」(ポルナレフ ジョルノ) 14 殺人鬼は闇に消え(アナスイ) 15 誇り高き血統(ジョージ ホル・ホース) 16 奇妙な遭遇(ブチャラティ ミキタカ) 17 ビッグファーザー・リトルボーイ(ジョセフ 東方仗助) 18 トンネルを抜けると(ミドラー 空条徐倫) 19 股開く貴公子(ダイアー) 20 熱き勇気と冷徹な意思(ツェペリ リサリサ スポーツ・マックス) 22 虹村億泰の長い夜(ペット・ショップ 虹村億泰 アヴドゥル) 23 その女の闇(トリッシュ シーザー) 24 賢者の真実、愚者の嘘(ホル・ホース ジョージ) 27 二つの『死髪舞剣』(ブラフォード 山岸由花子) 【深夜~黎明】 06 『擬制と犠牲』(ナランチャ スピードワゴン) 12 『運命の車輪(ホゥィール・オブ・フォーチュン)』(虹村形兆 タルカス) 21 開戦(リゾット 花京院典明) 26 『誰が為に砂は舞う』(F・F 広瀬康一 イギー) 【黎明】「2時~」 25 岸辺露伴の奇妙な取材(ジョナサン シュトロハイム 岸辺露伴 ヴァニラ・アイス) 29 ドッピオ、兄貴と戦う(エルメェス ディアボロ プロシュート) 30 ダイヤモンドは凍らない(ペット・ショップ 東方仗助 ジョセフ) 39 『オアシス』を求めて(セッコ) 40 信奉者達の盟約(前編)(ミドラー 空条徐倫 ジョンガリ・A)信奉者達の盟約(後編)(ミドラー 空条徐倫 ジョンガリ・A) 【黎明~早朝】 31 岸辺露伴の奇妙な冒険(広瀬康一 イギー 岸辺露伴) 32 『Oh! That s A Car Chase!!』(タルカス 虹村形兆 ブチャラティ ミキタカ) 35 恋人たちへ究極の問いを(アナスイ 山岸由花子) 44 ブラックホールによろしく(シーザー トリッシュ) 【早朝】「4時~」 28 それぞれの決意(DIO ナランチャ カーズ) 33 戦慄のリゾット(リゾット) 34 全てが噛み合わない(プッチ ホル・ホース ジョージ) 36 共演(アヴドゥル ダイアー 虹村億泰) 37 黄金の意志(ポルナレフ ジョルノ) 38 死に触れた者達(吉良吉影 ギアッチョ) 41 《運命》の使徒(ジョナサン シュトロハイム 噴上裕也 リキエル) 42 灯台もと暗し(ジョセフ 仗助) 43 帝王の『引力』(プッチ) 45 真の《殺戮のエリート》(ワムウ タルカス ミキタカ ブチャラティ 虹村形兆) 46 仮説・それが真実(花京院) 47 角砂糖同盟(セッコ ウェザー) 49 承太郎と哀れな下僕(承太郎) 【早朝~朝】 48 見知らぬ遺言、見知らぬ魔法(ツェペリ リサリサ) 50 魔人間アラキ~第1回放送~(荒木)
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00 OP(ジョルノ アヴドゥル DIO 重ちー 荒木) 01 『ゲームスタート』(花京院典明 リゾット) 02 「未知との遭遇」(墳上祐也 リキエル) 03 盲目の狙撃手(ジョンガリ・A) 04 『老い』の超越者(プロシュート ギアッチョ ストレイツォ) 05 ドッピオ、兄貴に出会う(ディアボロ エルメェス) 06 『擬制と犠牲』(ナランチャ スピードワゴン) 07 無題(東方仗助 セッコ) 08 試練かもしれん(プッチ神父) 09 『吉良吉影は静かに暮らしたい』(吉良吉影) 10 風は 吹き 始める(ワムウ) 11 ヘヴィだぜ…(空条承太郎) 12 『運命の車輪(ホゥィール・オブ・フォーチュン)』(虹村形兆 タルカス) 13 「不安」と「安心」(ポルナレフ ジョルノ) 14 殺人鬼は闇に消え(アナスイ) 15 誇り高き血統(ジョージ ホル・ホース) 16 奇妙な遭遇(ブチャラティ ミキタカ) 17 ビッグファーザー・リトルボーイ(ジョセフ 東方仗助) 18 トンネルを抜けると(ミドラー 空条徐倫) 19 股開く貴公子(ダイアー) 20 熱き勇気と冷徹な意思(ツェペリ リサリサ スポーツ・マックス) 21 開戦(リゾット 花京院典明) 22 虹村億泰の長い夜(ペット・ショップ 虹村億泰 アヴドゥル) 23 その女の闇(トリッシュ シーザー) 24 賢者の真実、愚者の嘘(ホル・ホース ジョージ) 25 岸辺露伴の奇妙な取材(ジョナサン シュトロハイム 岸辺露伴 ヴァニラ・アイス) 26 『誰が為に砂は舞う』(F・F 広瀬康一 イギー) 27 二つの『死髪舞剣』(ブラフォード 山岸由花子) 28 それぞれの決意(DIO ナランチャ カーズ) 29 ドッピオ、兄貴と戦う(エルメェス ディアボロ プロシュート) 30 ダイヤモンドは凍らない(ペット・ショップ 東方仗助 ジョセフ) 31 岸辺露伴の奇妙な冒険(広瀬康一 イギー 岸辺露伴) 32 『Oh! That s A Car Chase!!』(タルカス 虹村形兆 ブチャラティ ミキタカ) 33 戦慄のリゾット(リゾット) 34 全てが噛み合わない(プッチ ホル・ホース ジョージ) 35 恋人たちへ究極の問いを(アナスイ 山岸由花子) 36 共演(アヴドゥル ダイアー 虹村億泰) 37 黄金の意志(ポルナレフ ジョルノ) 38 死に触れた者達(吉良吉影 ギアッチョ) 39 『オアシス』を求めて(セッコ) 40 信奉者達の盟約(前編)(ミドラー 空条徐倫 ジョンガリ・A)信奉者達の盟約(後編)(ミドラー 空条徐倫 ジョンガリ・A) 41 《運命》の使徒(ジョナサン シュトロハイム 噴上裕也 リキエル) 42 灯台もと暗し(ジョセフ 東方仗助) 43 帝王の『引力』(プッチ) 44 ブラックホールによろしく(シーザー トリッシュ) 45 真の《殺戮のエリート》(ワムウ タルカス ミキタカ ブチャラティ 虹村形兆) 46 仮説・それが真実(花京院) 47 角砂糖同盟(セッコ ウェザー) 48 見知らぬ遺言、見知らぬ魔法(ツェペリ リサリサ) 49 承太郎と哀れな下僕(承太郎) 50 魔人間アラキ~第1回放送~(荒木)
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「……なあ、大佐。ちょっと聞きたいんだが」 このぼく、ジョナサン・ジョースターは、とうとう我慢できなくなって、隣を歩く男に問い掛けた。 空はゆっくりと白み始め、夜明けも程近い時間。目の前には大きな建物、病院の看板が見える。 「何かなァァァッ?」 「大佐の身体は、本当に金属で機械なんだよな?」 「我がドイツの技術力は世界一ィィィ! その通りッ、我らゲルマン民族が誇る最先端技術の結晶であるッ!」 「ひょっとして……その身体って、磁石に影響を与えたりするのかい?」 ルドル・フォン・シュトロハイム大佐。ドイツの軍人だそうだ。この若さで大佐というのも異例なことだろう。 ぼくが岸辺露伴の家で出会った仲間。彼もまた吸血鬼と戦っているということなので、行動を共にすることになった。 未だに信じきれないのだけれど、彼の身体の大半は機械で出来ているらしい。 『波紋』だって知らない者が見れば魔法のようなものだろうし、世界は広い。ぼくの知らない技術があってもおかしくはない。 ただ――その身体が金属で、鉄で出来ているなら。ぼくの知識でも分かるような、ちょっとした問題が出てくるわけだ。 「我が肉体には実験的で先進的な技術を惜しみなく投入しているがためにィィ、ささやかな不都合が起こることもあるッ! ごくごく稀にィ、磁場や電場の異常を引き起こすこともありうると聞いているッ!」 「……それじゃ、方位磁針が狂っても仕方ないな」 なるほどね。いや詳しいことは理解してないけれど。 改めて地図を見る。見知らぬ街の中、方位磁針を頼りに南を、街の中心を目指していたはずのぼくたち。 しかし実際に辿り着いたのは、出発点となった露伴の家の真北に位置するこの病院だった。 まあ、いい。次から気をつけよう。次は磁石よりも地図の方を信じて動くことにしよう。 それよりも、《偶然》辿り着いた、この場所は……。 「『ぶどうヶ丘病院』か。なかなか大きな建物だね。これはひょっとすると……」 「そろそろ夜明けも近いしなァァッ! ジョナサンが追う『ディオ』とかいう吸血鬼や、カーズどもが潜んでおるやもしれん!」 どうやら大佐もぼくと同じことを考えていたらしい。 ぼくらの敵は、共に日光に弱い。夜明けも近いこの時間、日差しを避けるための建物を探しているはず。 このような大型の建物は、まさにうってつけだろう。彼らのうちの誰かが既に潜んでいる可能性は、十分にある。 「夜明けを待つか、それとも今調べてしまうか。ぼくは時間を置いてしまう方が怖いと思うが……大佐、君の考えは?」 「ドイツ軍人は敵を恐れないィィィッ! 断固、突入あるのみィッ!」 考えることは、やはり同じか。ぼくらはそして、闇に包まれた病院の中に踏み込もうとして……その音を、聞いた。 ガシッ! ガシガシガシッ! それは奇妙な足音だった。凄まじい速度で駆ける足音だった。 病院の建物を回りこむように、正面玄関前にいる僕らの所に駆けて来る。 複数? それとも1人? 音だけでは判別できない。どちらのようにも思える。 そして建物の陰から姿を現したそれは、ぼくらの予想を遥かに上回る、奇妙な存在で―― 「な……なんだぁッ!? 『足跡』が、『足の形をした板』がたくさん、走ってくるッ!?」 「これは――露伴の言っていた、『スタンド』という奴じゃないかっ!?」 シュトロハイム大佐が驚きの声を上げる。ぼくらの目の前で急停止した『足跡たち』は、そして次々と積み重なっていく。 バシッ! バシバシバシッ! 先頭の足跡の上に次の足跡が。その上にその次の足跡が。 みるみるうちに足跡が重なっていって……気がつけば、そこに居たのは奇妙な人型の存在。 ぼくは咄嗟に露伴から聞いた話を思い出す。ぼくらへの取材の代わりに教えてくれた、『スタンド』の性質。 これから出会うかもしれない、あの『全てを削り取る吸血鬼』に似た能力の情報を―― 露伴は、(おそらく彼自身も『スタンド使い』なのだろうが)彼自身のスタンド能力については一切語ってくれなかった。 けれど、スタンド一般の基本的性質については、説明してくれた。彼曰く―― スタンドは、精神の力の発現である。 スタンドは、『波紋』のような「技術」ではなく、一種天性の「能力」である。 スタンドは、奇妙な服装をした人間、というのが基本形だが、その基本に当てはまらない例外も山のようにある。 スタンドは、スタンド使いが念じただけで自在に動く。でもたまに独立した意志を持ち、声で命令するタイプもある。 スタンドは、本体の隣に寄り添うように立つ。たまに本体から遠く離して操ることができる者もいる。 スタンドは、1人1つ。稀に群体タイプもあるが、それでも「1つ」。そして物理現象を捻じ曲げるような能力を1つだけ持つ。 スタンドは、本来スタンド使いにしか見えない――のだが、何故か今はぼくたちにも見えているらしい。 スタンドは、原則としてスタンドでしか傷つけられない。 では、ぼくたちが不幸にしてスタンド使いと戦うことになったら、どうすればいいのか? それは…… 『……この出会いは、《偶然》ではない。《運命》だ……』 「大佐、気をつけろ。どこかに『本体』がいるはずだッ! それを探すんだッ!」 「わ、わかっているッ! 命令するなッ!」 そのスタンドらしき影は何やらブツブツ呟いている。ぼくらは互いに囁きあう。 露伴の話が正しければ、そう遠くない所に『スタンド使い』の『本体』がいるはずだ…… と、ぼくは病院の2階、遠くの窓にキラリと光る「何か」に気づく。2本の円筒の先に光るガラスのレンズ。双眼鏡だ。 こちらの視線に気付いたのか、さッと引っ込んでしまったが、間違いない。 大佐はまだ気付いてないようだが、この状況で双眼鏡など覗くような人間は、他にいない! あれが『本体』だ! しかし遠い……! しかも物陰に隠れてしまった! さてどうするか……!ぼくはボーガンを片手に、考える。 そんなぼくらに構わず、そのスタンドはゆっくりと顔を上げて。 『さっき、『DIO』がどうこうと話していたな……? 『DIO』とかいう奴とお前ら、どういう関係だ?』 「……ッ!」 まただ。露伴の家で会った『ヴァニラ・アイス』という男同様、こいつもなぜかディオのことを知っている! 大佐の声は、無駄に大きい。どうやら先ほどの大佐の言葉を聞かれてしまったのだろう。 しかし病院のような大きな建物に潜むスタンド使いとは……こいつも吸血鬼なのだろうか?! 横目で大佐を見る。彼もまた同じことを考えているらしい。軍服の胸元をはだけ、身構えている。 だが戦わねばならないと決め付けるのはまだ早い。ぼくは警戒しつつも、堂々と名乗りを上げる。 「ぼくの名は、ジョナサン・ジョースター。ディオ・ブランドーは、ぼくが今度こそ確実に倒さねばならない男だ」 『ジョースター? 倒す? ……あッ、ちょッ、待てよッ……! 本気でやるのかよッ……!?』 「??」 ぼくの言葉の、何がそうさせたのだろう? 目の前のスタンドが、急に慌てだす。ぼくの言葉を復唱した彼が、虚空に向かって呼びかけるような仕草をする。 まるで、見えない「誰か」に声をかけるような。見えない「誰か」が、急に何か動き出したかのような。 なんだろう? とぼくや大佐が理解する間もなく。ぼくらの横から、声をかける新たな人影。 「……ジョースターの一族か。つまりは、オレの敵ということだな。 それがナチスのコスプレ野郎と一緒に行動しているっては奇妙極まりないが……この出会い、やはり《運命》らしい」 「!!」 足跡のスタンドが出てきた方向とは、また別の方向。病院の正面玄関から出てきた1人の男。 自信ありげな笑みを浮かべて、『足跡のスタンド』と並んで立つ。腰に手を当て、同じポーズを取る。 この『スタンド』の本体! いったいいつの間に2階から降りてきたんだ?! それに、こうして堂々と姿を現し、敵対を宣言するとは……自分の力に相当の自信があるに違いない! しかし――先ほどまではスタンドしか出していなかったというのに、何故、今になって本体が……? 何か嫌な予感。何か大きな間違いを犯しているという直感。 そんな勘に縛られ動けないぼくと違い、大佐の方の動きは、素早かった。 「《運命》がどうとかこうとか、知ったことかァァ~~ッ! このシュトロハイム、敵だというなら容赦せんわ~~ッ! 喰らえ、吸血鬼ッ! 『紫外線照射装置』ィィィ~~ッ!」 「ま、待て大佐、何かがおかしいッ……!」 「??」『??』 ぼくの制止も聞かず、大佐の両肩のパーツがハネ上がる。まばゆい光が迸る。 日光に弱い吸血鬼、その『吸血鬼に効く日光の要素』を人工的に再現したというその装置は…… しかし、目の前のスタンドや、奇妙な服装の男には、何の効果も現さず。 つまりそいつは、吸血鬼でも何でもないということだ! ぼくは改めて驚く。屍生人でもないのに……生身の普通の人間なのに、ディオに味方する者がいるとは! 「何をしたかったのか、良く分からないが……やはりオレたちは戦う《運命》にあるようだなッ! 『ハイウェイ・スター』! 奴を攻撃しろッ!」 男が叫ぶ。『ハイウェイ・スター』、それがこの『足跡のスタンド』の名か!? 念じて動かせる通常のタイプでなく、独立した意思を持ち、声に出して命令が必要なタイプなのか!? ぼくが何かをする間もなく、『ハイウェイ・スター』は再び無数の足跡に分裂し、大佐目掛けて襲い掛かる! 「う……うぉぉぉぉッ! く、来るなぁッ!」 ズドドドドッ! 大佐の腹部から銃身が突き出し、無数の銃弾を放つ。轟音。ヒュンヒュンと風を切る音がする。 その連射の速度といい、威力といい、小型化したサイズといい。ぼくには信じられないような技術を結集した超兵器だ。 が、しかし――その重機関砲、とかいう兵器の攻撃は、迫り来る『ハイウェイ・スター』の足跡にかすりもしない! いや、何発かは当たってはいる。当たっているのだが……全然効果がない! 全然ダメージになっていない! 『スタンドを傷つけられるのはスタンドだけ』。露伴の言っていた『スタンドの基本ルール』を、改めて思い知らされる! そして大佐の抵抗も虚しく、無数の足跡が、大佐の身体に……! 『……? なんだ、この身体は……? 『栄養』が、無い? 金属と油の匂いはしていたし、機械を沢山身につけているのは分かってかっていたが…… クンクン、この匂いは……機械そのもの? 肉体にあるべき、汗の香りが、ほとんどしない? こいつの身体はどうなっている? 声を聞いた限りでは、普通の人間のように思ったんだが……』 「さ、触るなッ! 触るでなァァァいッ!」 次々と大佐の身体に食い込む――かと思われた『足跡』たちは。 何か壁にでもぶつかったかのように、大佐の身体の表面で動きを止めて。 クンクン、と嗅ぎまわるような動きを見せる。再び積み重なって人の形を取ると、ペタペタと大佐の足や腰を触る。 大佐が振り払おうと抵抗するが、お構いなしだ…… なんなんだろう、コレは?! ひょっとしてこの『ハイウェイ・スター』というスタンド、盲目なのかッ!? 一目見れば、大佐の手足の輪郭が歪に強張っているのは、すぐに分かるはず。そして逆に飛びぬけた嗅覚。 目が見えず、しかし鋭い嗅覚でそれを補っている存在……確かにそれで、このスタンドの言動は説明できる。 そして大佐に対し、『生き物にしか効果のない何らかの攻撃』をしようとして、上手くいかずに困惑している……。 だが、何かおかしい! やっぱりおかしい! スタンドの特性でなく、違う何かが――。一緒にいる、男の態度が――! 「何をやっている、『ハイウェイ・スター』! さっさとやれッ!」 『そんなことを言われてもな、こいつの身体、普通じゃないんだよォ~~ッ! そんなに言うなら、お前がやれよッ!』 「こ、こっちだって、さっきからやろうとしているッ! だが『体温が感じられない』のはどういうことだッ!?」 「……? 揉めているのかッ……! なら、この間に……!」 ぼくは駆け出す。疑問をとりあえず棚上げして、ぼくは駆け出す。 『ハイウェイ・スター』を振り払おうと片腕で無駄な努力を続ける大佐をよそに、ぼくは男に向かって駆け出す。 露伴から聞いた、非・スタンド使いがスタンド使いと戦う際のほぼ唯一の策。 それは、『本体』を叩くこと! 本体が倒れれば、スタンドも消える! スタンドを大佐への攻撃に使ってしまってる今、本体は無防備! 殺す気はない、だがぼくの渾身の『波紋』を直接叩き込まれれば、一般人は昏倒を免れ得ないだろうッ……! ぼくは走りながら『波紋』の呼吸を整え、ボーガンを左の小脇に抱え、右の拳を振り上げる、しかしその時―― ヒュンヒュン、と、風を切るもう1つの音を聞き―― 急にガクン、とぼくの膝の力が抜け―― あと2歩で男に触れられる、というその距離で、ぼくは地面に倒れ込んでしまう。 何が起こったッ!? ぼくは今、何をされたッ!? 慌てて自分の身体を確かめる――右足首が、ありえない方向に曲がっていた。 さらによく見れば、ぼくの肌が黄色くっぽくなっている。そして全身がだるい。奇妙な脱力感。 だがどうやって?! ぼくは決して何物にも『触られていない』! これがあのスタンドの『能力』なのかッ!? 一体、何が起きたッ!? ぼくの身体は何をされてしまったのだッ!? 「ジョセフ、いやジョナサンッ! ええい、やらせるかァァァァッ!」 大佐が吼える。スタンドを振り払うことを諦め、重機関砲の銃身を、倒れたぼくの身体越しに男に向ける。 スタンドが掴みかかって止めようとするが、どうやらこのスタンド、腕力の方は大したことないらしい! 大佐はスタンドを押しのけるようにして、銃身を無防備な男に向けて、銃弾を乱射し……! 「な……なぁッ!? なんだお前ッ!? お前の身体が――『崩れている』ぞォォォッ!」 「――どうやら首から上は、『普通の人間』とほぼ同じらしいな。お前の『体温がある場所』が、ようやく分かった」 ヒュンッ。再び何かが空を切る音。それと同時に、大佐の動きに異常が起こる。 そして大佐は、見当はずれの方向に向かって銃弾を撒き散らす。 確かに男は、大佐が銃身を向けたその時から、大佐の周りを回るように逃げ始めていた…… だが、あの程度の速度では、大佐の銃弾を避けることなどできないはずなのに。あの連射を避けるなど無理なのに。 まるで大佐の目に何か異常が発生したかのようだ! 全然狙いが定まっていない! 大佐は何をされたんだ?! 「『体温』……。確か、『体温』と言ったな……!」 ぼくは自由にならない身体を、必死になって起こす。そのはずみで、右脇腹に何か硬いものが触れていたことに気づく。 ポケットだ。ポケットの中に入れていた、ボーガンの弾となる鉄球だ。それが妙に冷たくなっていると感じる……。 右脇腹、それは肝臓の位置。そして黄色い肌は重度の肝機能障害を知らせる黄疸の症状! 体温と病気の間に、どんな因果関係があるかは知らないが……明らかにコレは、病気にさせられているッ! ひゅんッ。再び風を切る音。何か小さな風が、ぼくの左手を掠める。 次の瞬間、ぼくの左手の小指が、ありえない方向に捻じ曲がる! もう間違いない。何か小さな、凄まじいスピードで飛ぶモノが、ぼくらの身体を掠めるように飛んでいる! ぼくは悲鳴を噛み殺しつつ、顔を上げる。だんだん『こいつら』の能力の秘密が、見えてきた! 『それくらいにしてくれ、『リキエル』よぉぉぉ~ッ! こっちの『機械の男』から『栄養』が吸えない以上、そいつから貰う必要があるんだぜぇ~ッ! お前自身が分けてくれるというなら、オレはそれでも構わないがなァ!』 「ああ、すまんな。動けなくしただけだ、まだ本格的に『病気』にはしていない。おまえの分は残っているはずだ。 さて、ではオレは、そっちの『機械の男』を始末しようか……!」 『ハイウェイ・スター』から解放された大佐が、その場に尻餅をつく。機関砲の乱射が止まる。 大佐は素早く立ち上がろうとして……再び転んだ。どうやら目の障害だけでなく、平衡感覚も失っているらしい。 また立ち上がる。転ぶ。病院の前にあった植え込みの中に、無様に倒れ込む。 リキエル、と呼ばれた男が、ゆっくりと大佐に歩み寄る。 「口の中から『視床下部』の、耳の所から『三半規管』の『体温』を奪った……頭部への攻撃は、有効なようだな。 今のおまえは、動くものの残像がいつまでも残り、またどっちが地面なのか分からない状態のはず。 もう少し近づいて、狙いを定め、『脳幹』の『体温』を奪ってトドメを刺してやる!」 「シュトロハイム大佐ッ! 気をつけろッ! 頭をガードするんだッ!」 『お前の相手は、オレだぜぇぇ~! 『養分』を寄越せぇぇぇッ!」 立ち上がれないぼくの所に、『ハイウェイ・スター』が迫る。ぼくの身体に深く食い込んでくる! ズキュン、ズキュン、と音を立てて、ぼくの身体から『大切な何か』が抜き取られていく! だがそれは、さっき『体温』を奪われた時の感覚とは、根本的に違う! ぼくは喋るのも困難な脱力感の中、それでも声を振り絞る。 「分かったぞ、お前の……『お前たち』の『能力』の秘密がッ……! 目にも止まらぬ『小さな何か』を近距離で操り、掠めるようにして『体温』を奪い、『病気』を引き起こす『能力』! そして『ハイウェイ・スター』を遠距離から操り、『ハイウェイ・スター』で触れて『生命力』を奪う『能力』! スタンド使いの『能力』は、1人1つ。最初っから、この病院には……!」 ズキュン! ズキュン! ズキュ……。 ぼくの身体に食い込んだ、『ハイウェイスター』の『吸引』が止まる。 コツン、コツン、と、新たな足音がやってくるのが聞こえる。 玄関から姿を現した、もう1人の男……そいつが、再び人の形となった『ハイウェイ・スター』と並び、同じポーズを取る! 「 ス タ ン ド 使 い は 、 2 人 居 た ! ! 」 ぼくの感じていた『違和感』の正体は、それだったのだ! 独立した意志を持つスタンドではなく、別々の能力をもつ2人! それならば――最初に『リキエル』という男が出てくる際、『ハイウェイ・スター』が慌てていたことも。 2階に双眼鏡が光ってから、『リキエル』が登場するまでの間が、やけに早かったことも。 その『リキエル』が、『ハイウェイ・スター』の能力を完全には把握していなかったことも。 全て綺麗に、説明がつく! 「おい、噴上裕也。もうちょっとだってのに、何止めてるんだよッ!」 「悪いなぁーっ、リキエルぅーっ! ハンサムでカッコいいオレ様は、既に『完全回復済み』……要するに、『お腹いっぱい』ってわけよぉぉ~~ッ。 他人の『養分』を吸い取って俺の傷を治すのが、『ハイウェイ・スター』の『能力』だからな。 こうなっちまうと、もうその『力』は使えねー。これ以上は、吸い取れねーんだ」 「じゃあ、もう一回『ロッズ』でお前の身体を『病気』にするか?」 「それは困るなぁ~~。殺せはしなかったが、そいつの『養分』はほとんど残ってない。立ち上がることもできないはずだ。 今『ロッズ』の攻撃を受けちまうと、こいつの残りの『養分』全部吸っても、ダメージを治しきれる気がしねぇ~。 リキエルがやった方が早いんじゃねーか?」 何やら2人が、言い争いをしている。そしてその内容が、ぼくの推測を裏付ける。 この『噴上裕也』とかいう『ハイウェイ・スター』の『本体』が当初隠れていたのは、ダメージを受けていたからだ。 『養分を吸い取る能力』の使用条件を満たすために、『リキエル』の『ロッズ』とやらで、予めダメージを受けていたからだ! あるいはそれは、『ハイウェイ・スター』が虚空に向けて「ちょっと待て!」とか言っていた、あの瞬間だったのかもしれない。 まずは『ハイウェイ・スター』だけで偵察する。敵と決まれば、途端にそれは生気を吸い取るスタンドと化す! 恐るべきコンビだ。そしてせっかく彼らの『能力』を解き明かしたぼくらには、反撃の力は残されていない! 噴上裕也が言う通り、ぼくには立ち上がる力も残ってないし、大佐は視力と平衡感覚を奪われて動けない……! 「だが、まだだッ……! まだ、終るわけにはッ……!」 ぼくは最後の力を振り絞り、這って進む。 同じように立ち上がることのできない大佐の方へ、大佐が倒れ込んだ植え込みの方へ、必死に這って進む。 ぼくたちはこの2人に勝てないのかもしれない。けれど、せめて、最後に……! * * * 「効率の問題じゃないんだ! これは《運命》の問題なんだッ! お前がやった方が、絶対にいいんだッ!」 このオレ、リキエルは力説する。 この噴上裕也という男、実に強い《運命》を持っているというのに、その使い方を知らない。自覚もない。 オレだけでは、《運命》が弱いのだ。《計算》の上でなら、オレだけでもこの2人にトドメを刺すことはできるはず。 しかし《計算》などより遥かに強い『力』、《運命》の力が、オレには足りないんだッ! 現に、『シュトロハイム大佐』とかいう『機械の男』、『ハイウェイ・スター』が居てくれなければオレには倒せなかった。 『ハイウェイ・スター』が気を引き時間を稼いでくれたからこそ、頭部に『体温』を見つけることができたんだ。 もしもオレ1人だったなら、そのことを見抜くより先に、あの機関銃で蜂の巣にされていたに違いない。 オレだけじゃ……オレだけじゃ、ダメなんだよォォ――! 「そんなことより、リキエルッ! 俺の『ハイウェイ・スター』が吸い取りきれなかった奴が、何かしようとしてるぞッ!」 噴上裕也の警告。 分かってるんだッ、そんなことッ! ジョナサンとかいうジョースターが、シュトロハイムの方に這っていることくらい! だが、オレのまぶたが降りてくるッ! 汗が出るッ! 息苦しいッ! まるで昔のオレの症状がぶり返したようだ! できるのか!? 本当に、《運命》の弱い、オレだけでッ!? 「早くしろ、リキエルッ!」 「うるさい、分かってるッ! 『スカイ・ハイ』! 『ロッズ』で奴の『体温』を奪えっ!」 オレは半ばパニックになりながら、それでも噴上の叫びに背を押され、『ロッズ』をけしかける。 このコンディションでは精密な動きは無理だ。一撃で殺せる急所、脳幹の体温を奪う第一頸椎は、狙える気がしない。 だが、身体のどこかを『病気』にして、匍匐前進を止めることくらいは……! そう思うオレの目の前で、しかし、シュトロハイムがいる植え込みに辿り着いていたジョースターは。 「確かに今のぼくには、立ち上がる力はない……けれど、『呼吸』はできるッ! 『呼吸』できれば、『波紋』を練ることはできるッ! 生命磁気への『波紋疾走(オーバードライブ)』ッ! 葉っぱよ、集まれッ!」 オレの命令に従い、『ロッズ』が奴に届くと思った、その瞬間! 見えない手に集められたかのように、植え込みに散らばるの葉っぱが集まって……大きな一枚の板となり、彼らの姿を隠す! 何物にもぶつからずに飛行する不思議な生物、『ロッズ』。それが網の目のようなものなら容易にすり抜けてみせるのだが。 薄いが隙間のない「葉っぱの壁」に遮られ、『ロッズ』はジョースターの所に辿り着けない! あさっての方向に飛んでいく! オレの『スカイ・ハイ』が『ロッズ』を操れるのは、あくまでオレの視界の範囲内。 ヘリコプターの中のような密室に標的が居ればいいのだが、見えない相手が開けた場所に居ては、襲えない! 「噴上裕也ッ! 『ハイウェイ・スター』でその葉っぱを排除しろォォッ!」 「わ、わかったッ!」 『ハイウェイ・スター』が走り出す。 奴のスタンドはあまりパワーのあるタイプではないが、しかしこの程度の葉っぱ、簡単に破ることができるはず…… だが、『ハイウェイ・スター』が緑の壁に手をかけるよりも先に、その向こう側に隠れた敵たちは。 ドンッ! こちらから壁を崩すより早く、向こう側から壁が弾け飛ぶ。 丸い穴を開け葉を撒き散らして飛び出したのは、握りこぶしほどの鉄球。 穴の向こうには、尻餅をついた姿勢のまま、ボーガンを構えたジョースターの姿……! しまった、と思った時には、それは避けられない距離にまで迫っていて。 ゴキッ、と嫌な音を立てて――鉄球が命中した俺の右腕が、折れた。 腕時計のように『スカイ・ハイ』がくっついている、まさにその部分が、見事に折れた。オレは思わずその場に膝をつく。 「う、うごぉぉぉッ!」 「それがおまえのスタンド、『スカイ・ハイ』か……。最初、腕輪か何かだと思ったんだけどな。 露伴から『スタンドは色んな形がありえる』とは聞いていたが、すぐには気付かなかったよ。 例えばこれが人型だったなら、君たちが2人組みだともっと早く見抜けていたのにな」 ジョースターが、勝ち誇ったような笑みで呟く。噴上裕也が、オロオロしている。 オレは脂汗を流しながらも、折れた右腕を押さえながらジョースターを睨みつける。 「こ、これで勝ったつもりかッ!? オレの右腕を折って『スカイ・ハイ』を封じたつもりかッ!? ……甘すぎるぞッ!」 オレは叫ぶ。この程度の痛み! 空条徐倫と戦った時のダメージに比べれば! 確かに『スカイ・ハイ』はオレの手首が定位置だが、しかし『スカイ・ハイ』はスタンド、鉄球ごときでダメージは受けない! 不意打ちのような激痛に、一旦は『ロッズ』のコントロールを解除してしまったが、しかしッ! 「行け、『ロッズ』! 今度こそ、奴らの『体温』を……! 第一頸椎を……!」 右手首が折れても、『スカイ・ハイ』は使える! 『ロッズ』は操れる! オレはそして今度こそ、奴ら2人にトドメを刺そうとして――そして、気付いた。 パラパラと崩れ落ちていく、葉っぱの壁。その向こうに居たのは……ジョースター1人! シュトロハイムは居ない! 「やっと、気付いたかな……! シュトロハイム大佐なら、もういない……! ぼくに残された僅かな生命力を、彼の生身の部分に『波紋』として流し込み、彼の『病気』を、癒したのだッ! かつてツェペリさんが見せた最後の技、『究極!深仙脈疾走(ディーパスオーバードライブ)』! その再現! 全ては彼に委ねた。ぼくはもう空っぽだ。 このまま放って置かれても、じきに、ぼくの心臓の鼓動も止まるだろうがね……!」 * * * シュトロハイムは、そして――逃げていた。 男泣きに滂沱の涙を流しながら、取るものも取りあえず、ただひたすらに逃げていた。 敵に背を向け、無様な逃亡を図っていた。 「屈辱、屈辱、屈辱ゥ~~~ッ! だがしかし、いまのおれのこの装備では、奴らを殺しきれんッ! 撤退しかないッ!」 本当は、シュトロハイムがあの場に残りたかった。せめてジョナサンも連れて逃げたかった。 けれど無理にジョナサンを連れていけば、すぐに追いつかれ、揃って倒されてしまうのは必至。 そして『波紋』を使い『病気』を癒せるのはジョナサンのみ。逃げられるのはシュトロハイムただ1人。 涙を飲んで、この場は一時撤退するしかなかった。 このあたり――普段の言動からは想像もつかないが、シュトロハイムの軍人らしい所である。 軍人にとって、親しい仲間が敵の銃弾に倒れる可能性は、常に覚悟しておかねばならぬことである。 それどころか、状況次第では友軍を見捨てる覚悟さえ必要だ。仲間の犠牲を乗り越え、任務を達成する覚悟が必要だ。 今回の戦い、別に軍の命令による作戦ではなかったが……それでも、シュトロハイムは弁えていた。 自分の命は惜しまない。仲間の命も惜しまない。一時の敗北も致し方ない。真に避けるべきは――完全なる敗北。 再戦の余地を、勝利の可能性を後に繋げることこそ、大事なことだった。 この場は撤退する。そして仲間や装備の充実を図った上で、ジョナサンの仇を討つ。 そしてまた、病院に至る道で聞いた、ジョナサンの誓い。屍生人にされてしまったというジョナサンの大切な人々。 彼らを、ジョナサンに代わって解放してやる。ディオとかいうジョナサンの宿敵を、代わって倒してやる。 それがシュトロハイムの誓い。これからの行動方針だった。 「くぅぅぅッ! 待っていろ、『リキエル』に『噴上裕也』ッ! このシュトロハイムが、必ずその首、取ってやるゥゥゥッ! ……ところで、ここはどこだ? まずは地図を見て、と…… おわッ、鞄ごと置いてきてしまったかぁッ!? シュトロハイム、一生の不覚ゥゥッ!」 * * * ――精神医学の世界で、よく知られた話がある。 ある母娘が、ある時、同じ幻聴を聞き、同じ妄想を訴えるようになった。 狂気というのは本来個人的なもの。その常識を超えた不可思議な現象が起きたのだ……と、当初は思われたのだが。 治療のために、と同居していた2人を別々の場所に引き離したところ、すぐさま片方の1人の症状が消えうせたのだ。 まだ何の薬も投与していないのに。まだもう1人は幻聴と妄想に捕らわれたままなのに。 どうやら1人に発症した幻聴や妄想が、すぐ傍で暮らすもう1人にも感染ってしまっていたらしいのだ。 つまり――狂気は、感染する。 一緒に暮らす夫婦の好みが似てくるように。偉大なる人物が周囲の人々を自然に高みに導くように。 狂気もまた、感染する。狂気もまた、近くに居る者との間で共有される。 個人差もあるし、必ず起こると約束された現象でもないが――狂気は、感染しうる。 そして噴上裕也はある意味、「とても感染しやすい」男だった。 優柔不断な性格ではない。協調性の高過ぎる性格でもない。自意識も強いし、度胸や意志力もある。 けれど根っこのところで、「流され易い」ところがある。「影響を受けやすい」ところがある。 写真のおやじに矢で貫かれれば、無差別にトンネルで獲物を狩る無情のハンターとなり。 東方仗助に協力を頼まれれば、自分の身を危険に晒してまで戦う正義の男となる。 どんな色にも染まる。そしてその全てが『噴上裕也』という男だ。 リキエルに出会った当初こそ、大いに慌て、相手の正気を疑っていた彼だったが―― 小一時間ほども嘆願され、説得され、泣かれ、説教され、教え諭されるうちに。 彼はすっかり、リキエルの『論理』に染まっていた。 リキエルの『狂気』にも近い情熱に、感染していた。 それこそ、その『狂気』のためなら、人殺しをも辞さないほどに。 * * * 「エリナ……きみに、ぼくは……」 ……ボキッ! 何かが折れる音が、オレの足元から響く。 もう動くことのできないジョナサンの首に、踏み下ろされた足。『ハイウェイ・スター』の足でなく、オレ自身の足。 呆然としたリキエルが、いつまでたってもトドメを刺さないので、このハンサムなオレ様が直々に手を下したというわけだ。 それにしても――嫌な感触だった。奴が最期に呟いた女の名前が、俺の耳に木霊する。 逃げ出した『仲間』のことでもなく、宿敵だという『DIO』のことでもなく、最期に口にしたのは『オンナ』の名前。 女々しい奴だ、と嘲笑う気にはなれない。オレもまた、死ぬとしたらあの取り巻きの女どものことを想うだろうしな。 ピクピクと痙攣する身体から足を離し、俺はリキエルの野郎に問い掛ける。 「シュトロハイムとかいう機械の男、その気になれば『ハイウェイ・スター』で追跡できるけどよォ……どうする?」 「……無用だ。あいつはどうやら、『生き残ること』に限っては、強い《運命》を持っているらしい。 もし、再び出会う《運命》なら、放っておいてもまた出会うだろう。追う必要はない」 ハン。また《運命》かよぉぉ~~っ。 コイツにかかると、どんな《偶然》も全ては《運命》ということになっちまうらしいなぁ~~。 ちょっとヤバい新興宗教か何かのような感じもしないでもないが、しかし今はオレも少しは信じ始めている。 知れば知るほど、コイツの『ロッズ』はトンでもない存在なんだ。 《偶然》なんかで、『ハイウェイ・スター』で殴り落とせるはずがねぇ。あれはリキエルの言う通り、《運命》だったんだ。 手首を押さえ座り込んだままのリキエルの野郎に、オレは手を貸して立ち上がらせる。 「コレでオレも人殺しだ。もう引き返せねェ……」 「気に病むな。そいつの《運命》が、おまえの《運命》よりも弱かったというだけのことだ。 想い半ばにして敗北し命を落とす《運命》。そういう《運命》の持ち主だったのだろう」 「……もう一回聞いておくぜ。その『神父』とかいう奴を助けたら、本当に『みんなが幸せになれる』んだな?」 「本当だ。『神父』には強い《運命》がついている。そして全ての者を幸福にしようという、強い意志がある。 その力と意思は、おそらく『荒木』よりも強い。『荒木』さえも、『神父』の《運命》を助ける者でしかない」 「オレの可愛い女どもも、みんな一緒に『幸せに』なれるんだな~~ッ?」 「もちろんだ。そしてそのために戦うのが、お前の《運命》だ」 「《運命》ね。好きな言葉じゃねーが……ま、ウソツキの仗助たちよりは、信じられるぜ」 仗助の奴らは、吉良の件でオレを騙していたみたいだしな。まだリキエルの方が、ウソをつかないだけマシだ。 オレはそして荷物を拾う。奴らが落としていった鞄が2つ。支給品らしきボーガン。何かに使えるかもしれない。 「鞄はそれぞれ、1つずつ貰っていくことにしようぜ。てか、おまえも片方持てよォ~~ッ!」 「そのボーガンはお前が持っていけ……。オレの折れた手首じゃ、使えない……。 あと済まないが、それぞれの中身を調べてくれないか……?」 やれやれ、戦闘の緊張が解けて、痛みがキツくなってきたかな? オレは奴の代わりにデイパックの中を漁る。 片方からは、共通の品に混じって植物図鑑が出てきた。ボーガンの予備の弾でも無いかと期待したんだが。使えねぇ。 そしてもう片方のデイパックからは…… 「なんだこりゃ? デスマスク? やけに柔らけーけど……素材は何なんだ? 指紋も取ってあるみてーだが……」 オレは見知らぬ男の像を前に、首を傾げた。やけに鋭い眼つき。凄まじい迫力。 それは、そう、リキエルの言葉を借りれば、いかにも「強い《運命》を持っていそうな人相」だった。 しかし、なんでこんなモンが『支給品』なんだ? ひょっとして、どこかの誰かさんにとっては深い意味のある品物なのか? おいリキエル……これも《運命》かよ? お前の言う《運命》とやらは、一体オレたちをどこに連れて行こうって言うんだ? 気がつけば俺は、顎を弄っていた。ジョナサンとかいう奴を殺した時にも弄らなかった顎を、無意識に弄っていた……! 【杜王町の街中(C-05)/一日目/早朝】 【シュトロハイム】 [能力]:サイボーグ [状態] 右腕喪失(だが痛みはない)。生身部分、『波紋』によって完全回復済み(むしろパワーアップ?) [装備] ゲルマン民族の誇りである自らの肉体 [道具] なし (支給品一式は置いてきてしまいました) [思考・状況] 1) ジョナサンの仇を取る(ただし現状では無理と判断) 2) あの2人に勝てる装備・または仲間を探す 3) ジョセフ・ジョースター、シーザー、リサリサの3名を、その最有力候補として合流を図る 4) ジョナサンの想いを継ぎ、ジョースター卿・ツェペリ・ディオ・ブラフォードを倒す 5) ところで……今いるこの場所って、どこ?(道に迷っている。地図も磁石もない) 【 H☆S & S☆H 】 【ぶどうヶ丘病院前 (C-04)/一日目/早朝】 【リキエル】 [スタンド] 『スカイ・ハイ』 [状態]:右手首を骨折。やや疲労。 [装備]:ロッズ(未確認飛行生物)(多数。呼べばいつでも来る) [道具]:支給品一式×2、植物図鑑、(リキエルのランダム支給品は未確定) [思考]: 1) 神父の願いを叶える手助けをする。『運命』が神父を導くはず、と信じている。 2) 神父、あるいはDIOに対立するものを狩り、排除する(なおDIOへの敵対は神父への敵対、と判断) 3) 噴上裕也に強い信頼と期待。(すべては彼の強い『運命』のお陰で上手く行っている、と思っている) 【噴上祐也】 [スタンド] 『ハイウェイ・スター 』 [状態]:健康。一旦ロッズの力で病気になったが、既に完全回復済み。 [装備]:アイアンボールボウガン(ただし鉄球なし) [道具]:支給品一式×2、双眼鏡(噴上裕也のランダム支給品)、 ディアボロのデスマスク(シュトロハイムのランダム支給品) [思考]: 1) リキエルを助ける。リキエルの願いを叶える。そして『みんなで幸せになる』。 2) 東方仗助達に対する不信の念。(吉良の一件で騙されたと思い込んでいる) 3) ところでこのデスマスク、誰なんだろう? 好奇心と、直感的な恐怖。 ※噴上はシュトロハイムの臭いを記憶しました。 【ジョナサン・ジョースター 死亡】 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 25 岸辺露伴の奇妙な取材 ジョナサン・ジョースター 25 岸辺露伴の奇妙な取材 シュトロハイム 64 SZR~surround zone readers~ 02 「未知との遭遇」 噴上裕也 67 逃亡 02 「未知との遭遇」 リキエル 67 逃亡
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僕は、受け継いできた人間だ。 波紋はもちろんツェペリさん。勇気だって父さんの背中を見て、僕は受け継いできたと思ってる。 もっと言えば石仮面。石仮面は確かに多くの波乱や不幸を招いた。 これがなかったら…僕は今よりはもっと平穏に暮らせただろう。それだけは確かだ。 でもそんな石仮面があったからこそ今の僕がいる。知り合った人達がいる。 そういう意味じゃこの僕、ジョナサン・ジョースターは母さんのおかげで今の僕がいるのかもしれない。 「うっ…うぅ………」 涙がポタリポタリと膝を濡らす。太陽がそんな僕を励ますように背中を温かく包み込んでくれる。 背負っていた袋は僕の足元に広がり中にあるのは、首輪だけ。 僕は首輪をそっと持ち上げる。一人の人間が死んだ、それなのになんでこんなにもこの首輪は軽いんだろうか。 「こんな……こんなことって……………」 空っぽになった袋はやけに大きく見える。今の今までここに、彼がいたはずだった。 …そうだ、僕は受け継ぐ人間だ。例えそれがどんなに辛いことだろうと、それが僕なんだ。 首輪を握る拳に力がこもる。彼は一言も漏らさなかった。うめき声一つ上げなかった。 その事実を改めて知り僕の目から涙がドッと溢れた。 「ブラフォード…ブラフォード……………ッ!」 そうだ、彼は何も言わなかったんだ。痛みに耐え抜いたんだ。 奥歯を噛みしめ嗚咽を止める。少しでも気を抜いたら、僕はどうにかなってしまいそうだった。 なによりも許せなかったのは僕自身だ。父を助けることに我を失い恩人を殺した。 罪悪感が僕をむしばむ。不甲斐なさに目の前が真っ暗になる。 でも…だからこそ僕は進むんだ! ブラフォード、恨むなら存分に恨んでくれ。 罵声でも拳でもなんでも僕は喜んで受け入れよう。 君にはその権利がある。それが僕がしたことなのだから。 「君の意志…確かに受けとめるよ、ブラフォード」 もしかしたらただの勘違いかもしれない。 君の意志とは大きくかけ離れているかもしれない。でも… 「父さん…すぐに行きます」 僕は止まらない。それが君の望んだことだと思うから、僕は父の元へ向かおう。 走り出した僕。でもすぐにその足を止めた。 振り返り今まで通ってきた道を見る。ここのどこかで彼は、ブラフォードは、死んだ。 「君を殺したのは、僕、だ」 苦しいさ。辛いさ。 でもそれから逃げるのはブラフォードに対する侮辱だ。 首輪を握りしめ僕は今度こそ館に向かって走り出した。 波紋の呼吸を練る。走ることが僕の今のすべきこと。 ただ走ろう。ただ速く、一秒でも速く! そう思っていたからだろうか。それとも何処かでまだブラフォードに対して気持ちの整理ができてなかったのかもしれない。 多分両方の理由からだろう。 館の目の前、正面玄関で感じた何かの気配に対して僕の反応は一瞬遅れた。 「ちっ…まったくお前もか。どいつもこいつもエラくないねェ~」 ◇ ◆ ◇ 「アレッシー、バイクを止めろ」 言われなくても俺は止めるつもりだったぜ。なんせあれを逃すわけにはいかねーからな。 湖を目前としたこの地点、その近くそびえ立つジョースター邸。 視界に映ったのはそのジョースター邸に向かい走る一人の男。 俺はハンドルを捻ると徐々にバイクのスピードを落とした。 ラッキーなことにバイクの排気音は男に聞かれることなくそのまま近くの草むらにバイクを忍ばせる。 「で、どうするよ?」 男がいるであろう場所に視線を向けながら俺はダービーに尋ねた。 「そうだな…私としては湖を優先したい。動けることは確かに事実だがあまりにも損傷が大きい。 それに…さっきのような男の可能性もある………」 「おいおい、いささかビビりすぎじゃねーか、ダービーよォ? 確かにさっきの男、コロッセオにいた野郎は桁違いだ。だがよ、そんなモンスターそうそういねえだろォ~?」 「………」 渋るダービーはそれでも動かない。気持ちがわからねえでもないけどな。 俺は黙って跨がっていたバイクから降りると内緒話でもするようにダービーの耳元で囁いた。 「さっきも言ったけどよォ、俺のスタンドセト神は触った相手を幼くする能力…。 スタンドはその持ち主の精神力、その言葉通りによ…ここだけの話、俺は弱いものイジめが大好きなんだ」 「…」 「だからよォ、俺としちゃもうイライラの限界なんだぜェ~?なんてったってここに来てから三人もガキにしたのに一人もイジめ尽くせてない。 まったくエラくない連中だらけだねェ~~」 「俺は行くぜ。バイクはてめぇに任せたぜ、ダービー」 「…仕方ない。確かに参加者を減らすのも悪くはない選択肢だ。しかし私は援護しかしない。参加者に接触、直接戦闘するのはお前だ」 「フフフフフ…もちろんだ。まったく、お前が話が通じる相手でよかったぜ…ヒヒヒ、エラいねェ~~」 バイクを隠してくる、そう言ったダービーを残して俺は目的地に向かって先陣をきる。 ウクックックック…久しぶりにイジめができる機会に俺の胸が高鳴る。 はやる足を止めずに俺は出来る限り気配を消すと男に向かって慎重に忍び寄った。 ◆ いいねェ~、まったくいいねェ~! ジョースター邸の扉の真ん前で俺はついに獲物を捉えた。 ところがどっこい、俺の予想を超えた反射で男は一瞬しかセト神に触れなかった。 結果赤ん坊に毛が生えた程度にしようとしていた俺の目論見は崩れた。 弱いもの、とは言いかねない半端な年頃のガキ、そんなヤツが俺の目の前にいる。 正直焦ったぜ。その反射や振り向く動きはさっきのモンスターほどじゃねえが場馴れしてたからな。 慎重を期すならもっと若くしてイジめるべきなんだろうが………。 「…あれ?!こ、これは…一体………ッ?!」 コイツの反応は俺の心を揺さぶる!多分スタンド使いじゃねーんだろうな? 俺に向かって戦いの構えをとったまではエラい。ところが縮んだ自分の拳に変化を感じたコイツの表情! 「グヘヘヘヘヘ」 もっとガキにする予定は取り止めだ。こんなに唖然として戸惑ってるヤツは久しぶりだからなァーーーッ! た~っぷり可愛がってやるぜ、ヒャホォ! 一歩一歩近づいていく。それに従ってコイツも一歩一歩後ずさる。 だが俺だって過去の失敗から学ぶ男だ。承太郎やポルナレフの時はそれで痛い目にあったからな…。 セト神は臨戦体制のまま、俺は着実に近づく。コイツがまだ銃や刃物を持ってる可能性もある。警戒を緩めちゃならねえなぁ。 だが、俺にはラッキーなことにコイツは次の瞬間扉に猛然と向かって行きやがった。 俺の顔に笑みが広がる。こいつァ、好都合だ!つまり逃走を選んだのはそれがヤツの最善だからだ。 よってヤツには俺には立ち向かう手段がなァ~い…! 「待ってくれよォ~~~、ってか?グヘヘヘヘヘ!」 おいかけっこもかくれんぼも嫌いじゃねえぜ。むしろ弱いものを少しずつ追い詰めるのは大ィィィー好きッ! 扉には鍵がかかってる。逃げ道は見たところここしかねぇよおだし、何も慌てる必要はない。 スタンドのセト神の拳に俺自身の身体。扉を突き破ろうと体当たりをかまし、無茶苦茶にドアノブを乱打する。 そうしてるうちにどうにか扉をぶち壊すことに成功した。さぁて、お楽しみの始まりだ…! 「もぉいいかァ~~い?まァ~だだよォ~」 かくして俺は無事館に侵入成功、と。ヒヒヒ…! ◇ ◆ ◇ 揺れるドアを前にぼくは頭を抱えこんだ。いったいこれはどういうことなんだ? と、とにかくわかってることは………。 僕の名前はジョナサン・ジョースター。父さんの名前はジョージ・ジョースター。 ディオ・ブランドーは最近この館に住み始めた僕と同い年の男の子。 ペットのダニーは僕の無二の親友だ。 それで…それで確かぼくはここになにかをしにきた。とても大切ななにかを…急いでやるために…なんだけど………。 「えっと…」 なんだっけな?ぼくはとにかく急いでた。それだけは確かなんだけど…。 そんなぼくを邪魔するかのようにドアが激しく揺れる。 その音にハッとするとあわててドアから離れた。 そうだ、ぼくに襲いかかってきた変なおじさんがいたんだ! ぼくはそのおじさんから逃げてここに来た。 それだけじゃない気がしたけどおじさんはぼくに考える時間をくれないみたいだ。 いっそう激しく揺れるドアを見たぼく。そう、今のぼくがやるべきことはひとつ! それは…逃げる! 階段をかけ上がって二階に向かう。カーペットに広がる血やぼくの身体より大きな剣を見たときなにかを思い出しそうだった。 けどそんなことに構ってられない!とにかくさっきのおじさんをどうにかする方法をかんがえないと! それだけぼくは必死だった。だからそこに人がいるかもしれないなんて考えもしなかった。 ただたまたま開いた部屋の中に飛びこんだら偶然、そこに人がいた。 「…あ」 「………!?あなたは、いえ、もしかして………ッ!?」 その人はきれいな女の人だった。 血かなにかでドレスは汚れてた。顔は疲れで青白く見えた。 それでもその人の目は、キラキラ、星みたいに光っててとてもきれいだった。 ドクン …あれ?ぼくはこの人をどこかで見たことがある気がするぞ………。だれだろう? 女の人は混乱してるぼくをじっと見つめる。なにか考えこんでるみたいで悩んでるその姿もきれいでぼくはドキッとした。 そうしてしばらくするとフゥと息をはいて笑顔になった。 女の人はスッキリしたさわやかな表情でぼくの頭をなでる。 「あなたはジョナサン・ジョースター」 こんな風に頭をなでられたことはなかった。父さんはとても厳しくてぼくをこうやってしたことがなかったから。 だからぼくはどうすればいいかわからなくなって思わず黙りこんだ。さっきのおじさんが近くにいるかもしれないのに。 あたたかい手が優しくぼくの髪の毛にふれる。 きっと母さんが生きてたらこんな風にしてくれたのかもしれない。そうふと思った。 ドォォ~~ン!バギバギバギッ! サッと女の人の顔色が変わる。きれいだった顔をキリッとさせるとぼくをかばうように部屋の扉の前に立った。 ぼくは女の人のかげに入りながらその背中を見上げた。あのおじさんのことを言わないと。 「すみません…言いたいことがあります!」 だけど振り向いた女の人を見るとそんなことは言えなかった。 心配そうな、不安そうな女の人の顔は見たくない。そうぼくが思ったから。 かわりに出たのはぼくの中で不思議に思ったこと。 「なんでぼくの名前を知ってるんですか?」 瞳が大きく開かれる。ぼくは自分の質問を後悔した。 寂しそうな笑顔を浮かべると黙って女の人は首をふったから。 唇にひとさし指をくっつけしー、と言うと女の人はまた扉を振り返った。 その背中はさっきより小さく頼りなく、ぼくには見えた。 ◇ ◆ ◇ 目の前に広がるのは豪華絢爛な玄関ホール。ざっと見たところで二階まで含めりゃ相当の部屋数だな。 こりゃ…ガキを探すのにちょっぴり骨が折れそうだな………。 「なァ~んてことにはならないんだな、それが」 ヘッヘッヘッ…まったく最近のガキはエラくないねぇ~~。 カーペットの汚れをに目を向ける。おびただしい量の血の海のわきを一つの足跡が横切る。 そしてそれは階段を上り、二階へと向かって行く。 「ママが見たら怒りますよォ~~~」 ピチャピチャと足の裏で跳ね上がる液体。 近くにある大剣やデイバッグも気になるところだが…今はガキを優先だ。 ゆっくり、ゆっくりと階段を昇る。 「どこにいるのかなァ~~~?出ておいでよォ~~~」 勿論足跡から目を離さずにだ。ひょっとしたら巧妙な罠かもしれねえからな。 尤もそこまで余裕があるかと言ったら疑わしいが。 とにかく油断大敵だ。そう絶えず言い聞かせないと興奮でブッチギリそうだった。 「どうしたんだァ~い?顔を見してくれよォ~~~」 ニンマリと笑みが広がる。 足跡は遂に途切れた。 どうやらここに入ったのは確実みてえだな。 ここ以外に足跡はないのがそれを裏付ける確かなものだった。 部屋ん中にいるガキはなにしてんだろうな?頭を抱えて震えてんのか? なけなしの勇気を振り絞って俺に立ち向かう構えを取るのか? 涙を流して命乞いをするのか? 「ノックしてもぉしもぉ~し」 有らぬ妄想に悶えながら焦る気持ちでドアノブを回す。 鍵がかかってやがるか…もう、焦れったいやつだぜ! 早く、早く!一秒でも早くッ! 扉に張り付くように俺は体重をかける。セト神を傍らに呼び出すとその拳でノブを叩く、叩く! あとほんの少し、ほんの少しだ………ッ! セト神は勢いを増してめちゃくちゃにノブを回す。 それを見ながら俺は舌舐めずりをして、名残惜しむように扉から距離をとる。 息が自然と荒くなる。ハァハァ…と言う息を吐きながら俺は闘牛のように助走をつけた。 そしてドアをぶち抜き、そのまま中に倒れ込むように俺は――― ズガン! 「………あ?」 俺は思わず硬直した。 ガキ共がかけっこでスタートラインで構えるかのようなポーズのまま俺は目の前の光景を見る。 俺が飛び込むことなく、扉は開いた。 そこには震えるさっきのガキとどこか見覚えのある女。 女は青ざめ、呼吸を荒くしている。そうなりながらも腕のなかのマシンガンはしっかりと固定されてる。 そしてその先からは一筋の煙が立ちこめている。 ゆっくりと俺は自分の体に目を落とす。熱い、脇腹が、熱い。 手をやった脇腹からヌメリとした何が流れ落ちる。 それを光にかざすと、そこは赤一色。 「…………………なんじゃこりャアアーーーーーーッ?!」 膝が独りでに折れる。俺の意識とは無関係に身体が前のめりになり、そして倒れこんだ。 アツアツに熱したフライパンで内蔵をかき乱されてるような痛みに俺はのたうち回る。なんだこれ?エラくない、エラくないィイッ! 世界が回り霞む視界の中、もう一度マシンガンを構え直す女が見えた。 俺の口から情けない悲鳴が漏れ、命の危機から転がるようにその場を逃れる。 次の瞬間、俺を掠めるように疾走する銃弾。ついさっきまで俺が存在した場所には大きな大きな穴が生まれた。冗談じゃない、このままじゃ殺される! 階段を文字通り転がり落ちる。身体中に走る痛みよりせめて頭だけは、と両腕で庇った。その腕に一瞬だけ熱が走った。 一段と大きい衝撃を受け終えると俺はボロボロになりながらも一階にたどり着いた。 だが痛みに呻く暇も悪態をつく暇もないッ!逃げろ、俺、逃げろ! 腰が抜けたのか俺の足は動かない。それでも逃げなきゃなんねぇ。俺は芋虫のように惨めに這いつくばり玄関を目指す。 だが絶望が広がる。 耳にはいる階段をかけ降りる音が、チャッと銃を構える音が。 開いた扉から差し込む太陽の光を背に受けゆっくりと振り向いた。目線の先には…マシンガンが俺とにらめっこしてやがる。 ちくしょう…死にたくねぇ。俺はまだ誰もイジめ尽くしてねぇんだ………ッ! 女の息が止まる。集中するかのように両目が一瞬閉じられる。 それにコイツは確か俺が早朝にイジめた女!俺はそんな…イジめられた相手の手で殺されるのか? 狙いを定めるかのように女が銃の先より俺を覗き込む。震えていた手が止まった。 嫌だ、嫌だ、嫌だァッ!俺は死にたくねぇッ!まだまだ子供をイジめてェッ!こんな所で…こんな所で… 引き金に指がかけられた。女が力を入れる。 「ちくしょうーーーッ!死にたくない―――ッ!うわあぁァアあぁァアーーーーッ!!」 ―――ドン 女の身体が揺れた。放たれた銃弾は俺の足元でシュウシュウと音を立てている。 女はマシンガンの反動で揺れたわけじゃない。勿論俺がなにかをしたわけでもない。 「行くぞ、アレッシー」 襟首を捕まれ持ち上げられると俺はうめき声で返事をした。 ダービーが放った何かが撃ち抜いた下っ腹を女がまさぐる。 さっきの俺と同じだ。何が起きたかわかんねぇ、そんな顔をしてる。 ダービーの肩に背負われ俺はこうして命からがら館より逃げ出した。 ドサッと何か重いものが倒れたのを耳にして。 ◇ ◆ ◇ 「………お姉さん?」 ぼくの言葉にはだれも返事をしてくれなかった。無表情なドアが僕を見つめ返すだけ。 じっとなんかしていられなかった。あの女の人は今ごろおじさんと戦っている。なのに物音一つしない。それがいっそうぼくの不安をかき立てた。 イライラとぼくは立ったり座ったりを繰り返す。その場でぐるぐる歩きまわったと思ったら立ち止まる。 イスに座ったと思ったらスクッと立ち上がる。その繰り返し。 ただ自分からドアノブに触れることは決してしなかった。 それをしたらあの女の人との約束を破ることになる。それだけは、このぼくにはできないことだ。 その約束は急いで立てられた誓いだった。おじさんが悲鳴を上げ転げるのを見て女の人が僕に向き直る。 おじさんが反撃できないことを十分に確認すると僕の手を握り言った。 『あなたはここにいてください』 『どうしてですか?ぼくも戦います!ぼくは本当の紳士を目指してるんです!勝てないなんて最初から―』 『勇気と無謀は違う』 『……………!』 『クスッ、そんな困った顔をしないでください。でも………』 『貴方にもしも勇気があるというなら…信じてください。この私を信じるという勇気をもってくれませんか?』 『………はい』 約束は守る。それが本当の紳士だ。 最後にはぼくは腹を決めてドアの真正面のイスに座ると腕組みをした。 もうここまできたらなんでもこい、だ。 ぼくは…あの女の人を信じるんだッ! 振り子時計とぼくの心臓だけが音をたてる。 とても静かだった。 階下でなにか起きてるとは思えないほど静かだった。 唐突に、けれどもゆっくりとドアが開いた。ビクリとぼくは反応して腰を浮かした。 一瞬だけあのおじさんが来たらどうしよう…そんな不安がよぎったから。 けれどもその不安は無事に外れた。入ってきたのは女の人だった。 思わず胸をなでおろす。ホッと息をはいて声をかけようとして… 「!」 女の人は血まみれだった。それも乾いた血じゃない。今なにかで撃たれたばかりの傷口、お腹のちょうど下辺りからドクドクと赤い液体が伝う。 うろたえ大慌てするぼく。なにをすればいいんだっけ、血を止めればいいのかな?!いや、ここは医者を呼ぶべきなのかな?! そんなぼくをよそに本人はどこまでも落ち着いていた。ため息をフゥと吐くとイスに腰かけた。そしてぼくを近くに呼び寄せる。 「いいですか、ジョナサン」 座った女の人の目線はちょうどぼくと同じ高さ。ぼくの瞳をのぞきこむ。 「貴方はよく信じてくれました。よく待ってくれました。」 女の人の両手にぼくの手が包みこまれる。やわらかくてあたたかくて大きな手だ。 「不安だったでしょう。怖かったことでしょう。でも貴方はそれに耐えきったのです!」 「ジョナサン・ジョースター、貴方の勇気を私は誇りに思います」 ぼくは嬉しかった。けど同時にどうしようもなく居心地が悪かった。 本当にすごいのはぼくじゃない。目の前のこの女の人だ。 さぞかし今のぼくはさえない顔をしてるんだろうな。 そんなぼくの様子に気づいたのか、それとも気づいてないのか。 女の人はポケットをしばらくの間ゴソゴソすると、探し物を引っ張り出す。 じっとそれを見つめる表情がほんの少しだけ固くなったのにぼくは気づいた。 けど黙って次の言葉を待った。大人のそういうしぐさはなにか深いわけがあるからだ。いつかの父さんがそうだったから。 「そんな貴方の勇気を見込んで…これを譲ります」 渡されたのは…チケット? 紫色の下地に金色のラメ入りの文字ででかでかと“DARBY S TICKET!”と書いてある。 まわりにはこれでもか、と言わんばかりにトランプやらチェスのコマやらチップが楽しげな様子を演出してる。 そして右端にはニヒルな笑顔の変な…個性的な帽子被った若い男の人。 一見ただのチケットみたいだ。 けど渡した本人はどこまでも真剣な表情だ。今まで以上にひしひしと伝わるものがある。 この人をそこまでにするなんて…いったいこれはなんのチケットなんだ? 「ジョナサン、貴方が本当に…本当に勇気があるのなら、勇気があると思ったなら、このチケットを使ってください。」 「どんなに酷い目に会おうとも、どんなに辛い現実があろうとも、どんなに厳しい試練が待ち受けていても。 それに立ち向かう勇気…!それが貴方にありますか?」 目と目が合う。思わず圧倒されそうになり、ぼくは負けじとにらみ返した。 にらむぼく、見つめる女の人。にらむ、見つめる、にらむ、見つめる………。 「フフフ…」 「ハハハ…」 そうやっていたら、やたらむきになったのがおもしろかったのか、どちらからともなく笑ってしまった。 しばらくの間部屋に笑い声がこだまする。いつまでもこうしていられる、そう錯覚してしまうほど。 「…そろそろ行かなくてはなりません」 「行くって…どこに行くんですか?その傷で無理しちゃいけない!」 女の人が呟いた。ぼくはびっくりした。 なにをしに行くと言うんだろう。なによりも安静にしとかないとマズイ。子供のぼくが見てもそれは確かだった。 暑くもないのに汗が額から浮かんでる。寒くもないのに震えがはしってる。明らかにおかしかった。 「駄目です!本当はこうやってる時間もなかった。すぐにぼくがなにか探してきま―――」 「ジョナサン」 部屋の中になにかないだろうか。とにかく今は血を止めるのが最優先だ。 ああ、ぼくったらなにをやってたんだ。すぐにでも処置をしなくてはいけなかった! これじゃ本当の紳士にはなれない! ぼくがそう思っていたときだった。 部屋中を走り回るぼくを止めたのは体に回されたうで。 後ろから抱き締められたぼくは思わず固まる。背中にトクントクンと心臓の鼓動が伝わる。 それはぼくのものではないリズムで脈打つ。全身に向け、命を送り込む。 「もっと早くこうしていたかった」 「もっとずっとこうしていたい」 「ジョナサン…貴方の勇気がこれっぽっちでも私にあったなら…」 「…それでもこうして貴方が腕の中にいる。これ以上になにがあるのでしょう?」 振り向くと…その人は泣いていた。 涙を流して、それでも気高く、それでいてどこまでも優しい笑顔。 「…勇気が出るおまじないです」 唇が触れたのは一瞬だった。 少しだけ悪戯っぽい笑顔を呆然とする僕に向けるとドアへ向かっていく後ろ姿。 「ありがとう」 女の人がドアノブをつかむ。 「そして…さようなら」 ドアが開いていく。その身を滑り込ませていく。 「―――幸せにね……ジョナサン」 軋む音を立てて扉が閉じられた。 閉まるその音がやけに大きく聞こえた。 ◇◆◇ 「エラくない、全然エラくないッ!ちくしょう、痛ェエエ、痛ぇよォ~~~~ッ!」 大の男が涙声で喚くとここまで不愉快だとは私も知らなかったな…。 尤もそんなことを覚えてもこの先何に役に立つとは思えんがな。 シクシクと泣く相棒を眺めて私はため息を吐いた。 同盟を申し込まれた時のコイツの機転の良さに少し期待した自分が馬鹿らしかった。 勿論相手を殺すとまでは期待はしていなかった。しかし子供になった相手に傷一つつけないとは…呆れるばかりだ。 いっそのことここで始末するか…。そうも思ったがそれを思い直す。 要はコイツに優秀な『ブレイン』が付けばいいのだ。 コイツはきっと一生自分が何故負けたかわからんだろう。 それはコイツがそういう精神をしているからだ。 スタンドは精神力―――端的に言い表すとそう言える。 コイツは虐めることに生き甲斐を感じ、そのような精神をしている。ある意味ではそれだからヤツの行動は間違いではない。 なんせ『スタンド』通りに動いたんだからな。 そう、虐めるためのスタンドなのだ。コイツの『セト神』は。 なんともまぁ、融通の効かないヤツだ。まぁ、今回の戦いでそれがわかっただけよしとしよう…。 私はそう自分に言い聞かせた。事態は一刻を争うとはわかっていたが…私は自分を押さえた。 いや、押さえることができた。 それは私が徐倫を信じてるから。 彼女なら…彼女なら例えどんなことがあろうとも生き残っている。 そう思うと気持ちが落ち着いた。 「―――…いッ!おい、ダービーッ!聞いてんのか、テメェッ!」 「すまない、少々考えごとをしていた」 「それより本当に湖に行けば治療してくれをだろうなァ?」 「ああ、それは信じてもらってかまわない。とにかく一刻も早くだ」 悪態を盛大につくアレッシー。その様子を見る限りじゃ案外軽傷ではないのか。 バイクも速くはないとは言え、しっかりと運転が出来ている。 …やれやれ、これは喜ぶべきことなんだろうが………。 「おい、ダービー!俺の治療が終わったならすぐにでも館に向かってもらうからなッ!」 「どうしてだ?」 「俺のむかっ腹が収まんねからだよォッ!くそッ、あの二人絶対許さねぇ!絶対殺してやるゥ!」 喚いたり泣いたり怒鳴ったり忙しい男だ。 …しばらくはため息が続きそうだな。私はそう思った。 「ああァアアー痛ェエエぜ、ちくしょおおォーーッ!」 ◇ ◆ ◇ 身体全身で扉にぶつかる。それでもドアは開かない。 歯痒い。しかし僕にはこうするしかない。『今』の僕にはこの手段しかないんだッ! 部屋の中央まで下がると思いっきり助走をつけ、全身で扉にぶち当たる。 一度で壊れなかったら二度。 二度で壊れなかったら三度。 なんどでもぶつかるさ、なぜなら… 「エリナッ!」 そこに愛すべき人がいるんだから。 僕は全てを思い出した。何で忘れてたんだろう。あんな大事なことを。 どうして気づかなかったんだろう。こんな大切な人を。 自分が腹立たしい。無力な自分が怨めしい。だけど諦めてはならない。 足を止めるな、ジョナサン・ジョースターッ!なぜなら待ってるのはエリナだけじゃない! 父さんもいる。何処にいるかはわからない。けれども一刻も早く、ただエリナに…ッ! そのためにも、どんなに辛いとも立ち向かうんだッ! 「そうだろ、ブラフォードッ!!!」 だからこの言葉を叫ぼう。 この力を叩き込もう。 「ふるえるぞハート!」 ダブダブだった袖に合わせてメキメキと腕が成長する。 元の大きさに、大人になろうと骨が軋む。 「燃えつきるほどヒート!!」 甲高かった声が轟く低さに戻る。その声にのせて最後の呼吸を口から吐く。 「おおおおぉーッ!刻むぞ、血液のビート!」 「山吹き色の波紋疾走!!」 僕、ジョナサン・ジョースターは何もかもが元通りになった。 記憶も、もちろん、身体も。 どうやらエリナは扉の後ろに机や椅子を積み上げていたらしい。それが扉が空かなかった原因のようだ。 僕の波紋疾走の衝撃はくだけ散った扉をも飛び越え、幾つかの家具を吹き飛ばした。 部屋を飛び出した僕の耳に家具が転がり落ちる音が入ってくる。 それに構わず僕はエリナを探す。 …いた!玄関ホールのちょうど真ん中! 飛ぶように愛しの人の元へ向かう。 自分に何が起きたかなんてどうでもよかった。 どうして子供になってしまったかなんて今は関係ない話だ。 ただ大切なことは世界で一番大切な女(ひと)が泣いている、悲しんでいる、苦しんでいる。 ならばそれを支えるのは…僕だ。 そうさ… 「いつだってささえるさ」 「エリナッ!」 彼女の背中にそう叫ぶ。二階から階段を一段飛ばしでかけ降りる。 ゆっくりと彼女が振り向く。その光景がやけにゆっくりに見える。 スローモーションのようなその光景を見ながら足を進める。一秒でも早く、彼女の元へ。 ―――振り返った彼女の顔は絶望に染まっていた。 どうして?どうしてそんな不安そうな顔をするんだ? 君は…僕を信じてくれている。僕も君を信じている。 エリナまで残り十メートルもない。そうだ、そんなに不安なら僕がその不安を、絶望を打ち消さなければ。 ―――来ないで そう彼女の唇が動いた。 僕はさらに混乱する。きっと父さんのことでエリナは何かを知っているのにちがいない。 もしかしたら…最悪の出来事が起きたのかもしれない。 でも…それで彼女が罪悪感を感じているなら、それは違う。 悪いのは僕なんだ。だからそんな顔をしないでくれ、エリナ。 エリナまで後僅か。手を伸ばせば届く距離。 「来ないで、ジョナサン…」 聞こえたのはそんな声だった。今にも消えそうな儚い、微かな声。 そして 僕の前で赤い花火が 舞った。 ◇ ◆ ◇ 「館に戻る必要はないィ~~~?」 「ああ」 視界に入るのは太陽を反射させキラキラ輝く水。 私の故郷であり分身であり命の源。 「お前の獲物、そうかもしれんがあの状況でそうも言ってられなかった。そのことについては謝ろう」 「チェッ…それを言われちゃ俺も弱いぜ………。でも確かなんだろうな?」 「そこら辺も含めて詳しく私のスタンドについて話しておこう。治療と同時平行で行えば時間も有効に使える」 「わかった。とりあえず急ぐとするぜ」 唸りをあげるバイクの排気音。顔にあたる湿気を含んだ風。 そうだ、これだ。水辺にいるというのが私の心を落ち着かせてくれた。 私の罪の意識を軽くしてくれた。 もう、私は吹っ切れた。 最も残酷な方法で彼女の生に幕を下ろしたのだから。 私は『あえて』威力の弱い弾を放った。分身を込めたそれは狙い通りに完全な貫通をすることなく体内に残った。 後は本人の血液の中で増殖。心臓で全身に巡られたフー・ファイターズに私が指令を送るだけだった。 突き破れ、と。 もう後戻りはできない。 だが想像したよりなんて事はなかった。 それにホッとした。 どうだ、怪物よ。私は今、完全に人間をやめたぞ。 人間を捨て、自分を捨て、フー・ファイターズとしてを捨てた。 コロッセオで待っておけ…必ず私は戻る。 次こそお前の息の根を止めてやる…何を犠牲にしてでもなッ! 「待っていろ………『怪物』め………ッ!」 【C-2 南東部 湖の脇/1日目 午前】 【知性と暴力】 【F・F】 [スタンド]:『フー・ファイターズ』 [時間軸]:DアンG抹殺後 [状態]:右手首喪失、顎と舌に負傷、バイクに乗っている [装備]:ダービーの肉体 [道具]:加湿器、メローネのマスク、支給品一式(水はすべて消費)、壊れた懐中電灯 [思考]:基本行動方針: 空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる 1.水分補給のため、湖で休む 2.アレッシーを利用する。用がすんだらバイクを奪う 3.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断 [備考] ※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます ※承太郎はDISCを抜き取られ廃人化した状態だと思いこんでいます ※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いてません ※隕石を落としたのはウエストウッドじゃあない別のスタンド使いだと思っています。 ※ジョルノに対してはある程度の信頼を寄せるようになりました。出会ったら……? ※黴に感染しませんでした ※ダービーの体を乗っ取ったので外見は完全にダニエル・J・ダービーです ※彼の記憶も見ることが出来たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。 徐倫を優勝させるために最大限活用します。 ※放送でダービーの名が呼ばれるかF・Fの名が呼ばれるかは不明です。 ※エートロの皮がE-2とD-2の境目付近に放置されています ※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、太陽光に弱いと認識しました。 ※思い出を捨てるため、初期の話し方に戻りつつあります(一人称が『あたし』から『私』、など) ※殺すことに対する躊躇いは無くしました 【アレッシー】 [スタンド] 『セト神』 [時間軸] はるかかなたにフッ飛ばされて再起不能した後 [状態] 顔面に殴られた痕(ミスタからとエリナからの分)、背中に刺された傷(浅い)、地面を転がり蹴られたのでドロドロ、 片腕に少女エリナの歯型、足のつま先に痛み、顔中鼻血の跡、貧血気味、わき腹に銃創、腕にかすり傷、 全身に軽い打撲、バイクを運転中 [装備] メローネのバイク [道具] カップラーメン(アレッシーは毒入りだと勘違いしています)、携帯電話、支給品一式。 [思考・状況] 基本行動方針 ゲームに乗るつもりは今のところないが、明らかに自分よりも弱い奴がいたら虐めてスカッとしたい 1.傷を癒すため、湖に向かう 2.ダービーを抱えた女と合流……できたらいいなぁ、ダービーに会えたからいいか 3.ダービーの信頼を得て保護を受ける。鉄塔近くの奴らとヘリとコロッセオは無視だ! 4.その後、携帯電話を使わせる。 5.でも本当はいじめまくりたくて仕方が無い。 6.上手く不意を突ける機会があればミスタ、ジョナサン、ジョセフ、ディアボロ、音石に報復する [備考] ※セト神の持続力が弱体化しているようです。アレッシーが気絶しなくても、アレッシーに何らかの異常があれば子供化は解除されるようです。 ※その制限に薄々気がつきはじめています、そのためやや警戒気味。ちょっとでもヤバイと感じたら逃走するようです ※『名に棲む鬼』における鉄塔の戦いの一部を目撃しました。会話は聞き取れていません。 ダービーが投下された瞬間を見逃し、最初に目にしたのはF・Fに抱えられた治療後の姿だったため彼がカビに感染していたことを知りません。 また上空の戦いは見ておらず、プッチ神父とサーレーの姿もよく見えていませんでした。 ※ジョルノのスタンド能力を『触れたものを一定時間固定する』能力、F・Fのスタンド能力を『治療が可能な』能力、 ディアボロのスタンド能力を『瞬間移動』する能力と認識しました。 エシディシに関してはスタンド能力がどういったものであるかイマイチ確信を持てていませんが、 『影を一瞬触れさせたぐらいじゃ若返らない』『太陽光に弱い』と認識しました。 ※ンドゥール、オインゴ、マライア、ダニエル・J・ダービー、ヴァニラ・アイスとはお互い面識がありますが、スタンド能力は把握していません。 ※カップラーメンをアレッシーは毒入りだと勘違いしています ◇ ◆ ◇ なんだ、これは。 赤、赤、赤。 一面に、見渡す限りに広がる赤い海。 『ジョナサン』 足元に広がる液体の中に浮かぶ様々なもの。エリナだったもの。 なんだ、これは。 僕をさっき優しく抱いてくれた腕。右に、左に左右に別れ、それはもう二度と僕の身体に暖かみをくれない。 『…勇気が出るおまじないです』 飛び散る何かの中で僕の視界が捉えたもの。 思い出したのは泣きそうなエリナと押さえられていた下っ腹。 なんだ、これは。 だがそれも当然、もう冷たくただのものになってしまった。 彼が、彼女が動くことはもう、ない。 『ありがとう』 玄関の扉より差し込む太陽がキラリと反射する。 散らばっていたのは二つの輪っか。 なんだ、これは。 僕が捧げた愛の誓い。彼女に課せられた死の呪い。 それをつける首や、指は、もう。 『そして…さようなら』 エリナ、今の君はどんな顔をしてる。 君の瞳は何を映してる。君は今、何を考えてる。 なんだ、これは。 抱き抱えたその瞳には何も映らない。 ただカメラに焼き付けられたかのように絶望の色が底に張り付いていた。 『幸せにね……ジョナサン』 ―――プツン 切れた 僕の体の中でなにかが切れた 決定的ななにかが 「ああ゛あァアァア゛゛あぁ゛ぁ゛ァアーーーーーッ!!!」 【C-2 ジョースター邸/1日目 午前】 【ジョナサン・ジョースター】 [時間軸] エリナとのハネムーンでアメリカに向かう途中の船上でワンチェンと遭遇する直前 [状態] 唇と右手から少量の出血(生活、戦闘に支障無。未治療)、顔と体中が血塗れ、鼻の骨折、 [装備] なし [道具] なし [思考・状況] 基本行動方針:????? 0.????? [備考] ※不明支給品1~2(未確認)とダニーについて書かれていた説明書(未開封)が入ってるジョナサンのデイバッグ、 タルカスの剣、ジョージのデイバッグの三つがジョースター邸内(C-2)に放置されてます。 またジョナサンの近くにエリナの首輪、エリナの指輪、ブラフォードの首輪が同じく放置されてます。 【エリナ・ペンドルトン 死亡】 【残り 50名】 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 110 四個の手榴弾/残り四秒 ジョナサン・ジョースター 142 The fall of a castle その① 117 明けてさだめに身をやつし エリナ・ペンドルトン GAME OVER 131 今ここに生きる意味を(前編) アレッシー 142 The fall of a castle その① 131 今ここに生きる意味を(前編) FF 142 The fall of a castle その①
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エイサップ鈴木・ランサー ◆Ee.E0P6Y2U 「止めろ! その槍で東京を焼き払うというのか」 東京上空。躍り出たエイサップは叫びを上げた。 青い空を突き刺すように伸びる摩天楼たち、その先にある者こそ彼が相対すべき敵だ。 白亜の巨人がその存在を響かせている。生物的的なフォルムが陽の光を浴びて照りかえっていた。 白き槍を巨人は街に向けていた。エイサップは身を乗り出して叫ぶ。「やめろ!」 「黙っていろぉぉぉぉぉぉ」 対する巨人が叫びを持って返す。その声は強いエコーがかかっており、元の声色はおろか性別すらつかめない。 しかしその声に込められた想い、いやに生っぽくて恐ろしい願いの丈――その怨念は余すところなく伝わってくる。 東京の空を怨念の声が埋め尽くす。エイサップはただひたむきに己が呼び出してしまったものに呼びかけた。 「その槍はそうやって使うべきものじゃない筈です。これは悪しきオーラ力が為すようなことだ!」 「悪しきものにオーガニック・エンジンは応えない! あのプレートは私に応えてくれたのだ」 「そのオーラは悪ではないないんです! だから! こんなことをやってはいけない!」 「お前の言葉など聞かない。 ただ呼ばれ、流されただけの者! その言葉に私は動じない」 「分かってもらうことすら放棄する。そんな者が正しくあるものか!」 「未熟者があああああ」 巨人が叫びを上げこちらを蹴りあげてくる。 エイサップは舌打ちし、オーラバトラーを駆った。ブウウウウンと翅音が響き、その肢体が駆動する。 深い翠を湛えたオーラバトラーは機敏に反応し、巨人の足を擦り抜けた。 脚で殴ってくるか! エイサップはそこに込められた怨念を間近で感じ、そして己が従者の想いの強さを感じ取る。 オーラバトラー・ナナジンの軌道を整えながら――ナナジンもまた巨躯である――エイサップは自らの従者と相対した。 地上界とバイストンウェルを巻き込んだ戦いの最中、彼は突如として東京上空へと舞い戻ってきてしまった。 しかしそこは彼の知らない東京。そして呼び出してしまった巨人が東京を焼かんとしていた。 「未熟なるマスターはただそこで見ていればいい! これは私の願いを叶える戦いだ!」 「そうは行くものか。ただ焼き払うことで叶う願いなど、認める訳にはっ!」 「呼び出した者が語ることではない!」 エイサップの言葉は届かない。巨人はなおもその身に光を纏い東京へと襲いかからんとする。 光が円環となってその身を包む。それはオーラ力とはまた別の――より根源的でオーガニック的な力だ。 エイサップはその発露を止めるべくナナジンを駆った。翅音を立てナナジンは巨人へと接近する。 「邪魔をするなああああ」叫びと共に、巨人が腕と一体化した槍を振るう。 ビシュン! ビシュン! 鞭がしなる音を立てナナジンを襲う。エイサップはそれを必死に擦り抜ける。 「オーラ力よりプリミティブだというのか!」 その攻撃は鮮烈を極めた。サーヴァントとマスターという関係はこの瞬間何の意味も持たなかった。 青く白い槍はナナジンを捉えるべく幾多の攻撃を為してきた。捉えられれば即ち死。エイサップは直感的にそのことを把握する。 研ぎ澄まされた意識に巨人の叫びがこだまする中、彼はそれでも巨人と戦うことを選んだ。 「死ねよやああああああああああああああ」 強烈な殺意と共に両肩より槍が放たれる。鋭くも柔らかな、矛盾した性質を持ったフィンがナナジンを狙う。 させるか! エイサップは目を見開き、剣を抜く。腰より柄を引き抜き、オーラの刃を解き放つ。 燃える! 陽光を浴びたソードが炎を纏った。ソードを手に、オーラを火に、エイサップは槍と対峙した。 「斬るぞぉぉぉぉぉぉ」 叫びが衝突し、オーラとチャクラが渦を巻いてぶつかった。 オーガニック的な力に対して、エイサップは聖戦士の神秘で対抗する。 バチバチと弾けるような音が東京の空に響く。その下では多くの人が視える。 あそこには人がいる。この街を生き、そして明日を生かんとする者たちが。 そこにこんな力を落す訳には行かない。この力はこんな風にあってはいけないものだ。 オーガニック的ということは、それ即ち破壊とは相反している。それをエイサップは自然と感じ取っていた。 「令呪を以て命ずる!」 「な、何をおおおおおおおお」 オーラとチャクラがぶつかる中、その手を翳した。 ナナジンの視界を通じて巨人が視える。バロン・ズゥと名のついた巨人を止めることができるのは自分の役目だ。 故にエイサップは言った。 「止まれ! その力が振るうべきはあの街じゃない!」 ギン! と音を立て、その手の甲が明滅する。 それは与えられたこの戦争にて印の一角。力を御する象徴だ。 摩訶不思議な力! それをエイサップは行使する。ただ歪んだ力より街を守る為に。 「ぬう!」 絶対の縛りを受け巨人が苦悶の叫びを上げる。 如何な強大な存在であろうと、それに対抗することはできない筈だった。 「こんなもので私の、私が――」 しかし巨人はなおも蠢いた。 その身をぶるぶると震わせ、立ちふさがる障害を跳ね除けんとした。 その様にエイサップは息を呑んだ。なおも動くその願いの意志。その正体は―― 「――ジョナサンに。息子にしてあげられなかったことに」 ――その言葉と共に、オーガニック的な光が炸裂した。 キイイイイイイン、と甲高い音が割れるように響く。 そしてその怒張したチャクラが輪となって巨体を包み込んだ。 「行けない! そちら側に行ってしまえば」 「ジョナサンの為にいいいいいいいい」 エイサップの本能的な叫びも届かず、東京の空を光が埋め尽くした。 エイサップのオーラ力すら退け、オーガニックエナジーがナナジンを取り込む。 そしてエイサップは触れた。巨人の――ランサー/バロン・マクシミリアンの光の一端に。 そこにあったのは――母性だ。 ここでないどこか。そこには一人の母と、その息子がいた。 母は母であった。息子もまた母を求めていた。それは人であるということだった。 しかしどこで間違ったのだろうか。二人は噛み合わず、すれ違い、決裂してしまった。 その別れが――母が息子に銃を向けるという悲劇になって帰ってきた。 「これが……貴方の願いだというのか」 エイサップの口からは思わず言葉が漏れていた。 エナジーが記憶となって意識を瞬く間に走っていく。 流れるように繰り広げられた愛憎劇。それを通してエイサップは巨人が母であると知った。 そう母は、息子に銃を向けた母は、それでもなお母であった。あらんとした。 それ故に彼女は全てを捨て、息子へと走った。その願いの重さにプレートが――宇宙の孤児(オルファン)が応えたのだ。 母の想いがリバイバルを呼び、巨人となってカタチを得た。 ――それこそがこの力の正体! 何とオーガニック的で原始的な想いの丈か。 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 「それで貴方はこんな力を……!」 母は叫びを上げる。そしてその身に更なる光を、より強きエナジーを、遥かな巨躯として体現する。 ハイパー化。令呪ですら留められない強烈な願いの光。そういうものに、エイサップは触れてしまったのだ。 「ジョナサンの為に死ねえええええええええええええ」 母の叫びが東京にこだまする。その光を持って東京を焼き、戦争に勝利する。そのつもりであるか。 それを理解した上で、エイサップは臆さず口を開いた。 「駄目だぁぁぁぁ!」 「息子を想う母の気持ち! そういうものを私は振るう!」 「駄目です! 貴方のそれは、ただそうありかったと思っているだけです。 母でありたいではない。母でありたかった――未来を創るではない。過去を埋めようとするものだ。 過去を力にして振るってはいけないんです。それは未来を滅ぼす行いだ!」 「私も、ジョナサンも、過去はつらいものでしかなかった!」 「だからこそ未来を向いて居なくてはならないんです。間違ってもそんな風に振るっていいものじゃない。 親と子は傷をなめ合うような関係じゃない!」 エイサップの言葉に迷いはない。 彼もまた親との距離を見失っていた者だった。 不貞の仲でできた子ども。アメリカと日本という、異国の血を混ぜ合わせた者。 そんなのだから、エイサップは自分の居場所というものがあやふやだった。 だが、それでも母は母だ。父は父だ。それだけのものだ。 認められない関係を、親を求める心を力にして振るってはいけない――! 「私はただジョナサンの為に戦う! ただそれだけでいい。バロンであればいいのだ」 「その想いは間違っても悪じゃないんです。決して悪にしてはいけないものだ」 「私は……私はクリスマスすら祝えなかった――! 8歳と9歳と10歳と、12歳と13歳との時も――カード一つ渡せなかった」 「それを想う心こそ、その過去を忘れられぬつらさこそ、貴方の言う力でしょう! それを戦争に使っちゃ駄目だぁぁぁぁぁぁぁ!」 言葉と言葉をぶつけあう。迸るエナジーに載せ、言葉が空間に広がっていく。 エイサップはバロンと名乗る母に相対し、その力を留めんとした。 「あの子は……あの子はただ悲しかっただけなのに、私は気づいていたというのに――」 「待つ子のつらさもあれば、待たせる母のつらさもあったでしょう。 それをまず思い出すんです!」 「思い出すものなど――!」 巨人、バロン・ズゥが再び動かんとする。チャクラ・エクステンションが高まっていく。 東京を焼き、息子への愛を力にして願いを叶えようとした。 そんなことをさせてはいけない。 強い意志を持ってエイサップは再び手をかざした。 令呪にオーラ力を乗せる。そして再び言うのだ――母よ、立ち止まれ。 「私はバロン・マクシミリアンだ!」 自らを縛らんとするオーラを、母はそう言って跳ね除けようとした。 だが、認めてなるものか。 息子想う母の心が、街を焼くようなものであってはいけない―― 「仮面を被って親ができるものかぁぁぁぁぁぁ」 その言葉と共に、巨人の光は縛られ、収束していった―― ◇ 街に落ちたエイサップは「ン……」とうめきを漏らした。 土の匂いがする。どこかで人の雑踏も聞こえた。 そして意識が戻ったとき、はっ、として彼は立ち上がった。 そこは東京だった。 見慣れた東京の街。人がいて、生活している地上界。 そこに彼は帰ってきたのだ。 (いや) エイサップは気付いた。帰ってきたのではない。 服は聖戦士のそれであるし、何より消耗が先の戦いが現実であったことを告げていた。 空を見上げた。しかしそこには何もない。バロン・ズゥもオーラバトラーも、全て消え去り元通りの空がある。 どうやらあの光に呑みこまれ、二つのマシンは消え去ったらしい。 バロン・ズゥ――ランサーの方はその性質上再び持ってくることも可能かもしれない。 (そうだ――あの人は) 聖杯戦争。エイサップが突如として巻き込まれた事態と、そしてそこで出会った一人の母。 全ては唐突だった。しかし本能的に理解していた。聖杯なるものの真意は掴めずとも、オーラ力が呼応して彼女を呼んだことは分かった。 そして呼ばれた彼女は、その願いを叶えるべく東京を火の海に包もうとした。 それを止める為に、自分は戦い、そして止めたのだ。 目を瞑り、力の流れを感じ取る。 聖戦士としてのオーラ力、それとオーガニック・エナジーとの接続が確かに確認されると、エイサップは思わず息を吐いた。 大丈夫だ。彼女はまだ近くにいる。ただ眠っているだけだ。 (これから……一体どうなるんだ) エイサップは自身の身に起こったことに混乱していた。 突如としてバイストンウェルに呼ばれ、かと思うと唐突にまた別の東京に呼ばれた。 しかも呼ばれるままに戦ってしまった。己の従者の暴走を止める為に、令呪と呼ばれるものを二つも行使してしまった。 とはいえ――それでもこの東京を守ったことに後悔はなかった。 そこにある人々の生活を守ることができた。違う東京であっても、エイサップにとって知らない街ではない。 バロン・ズゥとナナジンの戦いは目立つものであっただろうが、実時間にしては数分。被害もほとんどなかったことだろうし、東京の日常はそのままだろう。 そして何より子を想う母の力で街を焼かないで済んだ。 それは絶対に正しいことだったとエイサップは感じていた。 【クラス】ランサー 【真名】バロン・マクシミリアン(アノーア・マコーミック) 【属性】中立・善 【ステータス】 筋力 B- 耐久 B- 敏捷 B- 魔力 C 幸運 E 宝具 A- 【クラス別スキル】 対魔力:C 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 【保有スキル】 抗体:B オルファンのアンチボディとなる適正。 ランクが低いと不安や恐怖を増幅させられ拒否反応を示すが、高いと攻撃的かつ野心的になり、オルファンを盲従し他人への関心が薄れ独善的になる。 チャクラ:B 物理的破壊効果を持つ輝きをアンチボディを通して扱うことができる。 瞬間移動や交信等、さまざまな不可思議な効果も生み出す。パイロットの精神状態などで威力が変わる。 母の愛:A+ 子を想う母の心。決して揺るがぬ意志。限界を越えてもなお戦意は衰えない。 威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。 【宝具】 『母から、息子に(ジョナサン・バロンズゥ)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1-30 最大捕捉:10人 バロンと化したランサーがジョナサンへと与えた新たなアンチボディ。母の想いにプレートが応え、リバイバルした。 宇宙を漂う孤児、オルファンのプレートから生み出された存在。「オーガニック・マシン」とも呼ばれる。 ブレンパワードとグランチャーの二種がいるが、バロンズゥはグランチャーの変種とも言うべき存在で、オルファンの抗体化を促進するなどの特徴は強化された形で受け継いでいる。 この機体はバロンがリバイバルさせた機体をジョナサンに与えたもの。ソードエクステンションなどの手持ち武器はなく、胸部から直接チャクラ光を照射する。 また、両肩のひれ部分(フィン)は伸縮自在の格闘兵器であり、これが槍となって相手を絡め取るように切り刻む。 ランサーのステータスはこの宝具を使用している際のもの。 マイナス補正がついているのは、エイサップとの激突で宝具自体にダメージを受けた為。 ランサー自身も消耗した今、宝具自体も全長3メートル大にまで縮んでしまっている。 【人物背景】 『ブレンパワード』の登場人物。立ちふさがった最後の敵。 物語後半に突如として現れた謎の人物で、仮面や鎧・マントを身に着け、声もボイスチェンジャーで変えている。 自分が見込んだジョナサンにオルファンを掌握させようと目論んでおり、自身の所有するバロンズゥを与えるなど強く肩入れしている。 ……その正体は行方不明になっていたノヴィス・ノア初代艦長でジョナサンの実母アノーア・マコーミックである。 ジョナサンと再会し、彼の為に地位を捨て仮面を被り彼を支援しようとしていた。 最終決戦では自らバロンズゥに乗り込み、その妄執から機体は巨大化しハイパーバロンズゥと化し、チャクラエクステンションすらものともしない圧倒的な戦闘能力を見せる。 無理にエナジーを消耗した末にハイパーバロンズゥは崩壊、ハイパー化の代償で心身ともに激しく衰弱しジョナサンに連れられる形で戦場を去った。 最後はジョナサンと共にオルファンの巣立ちを見つめていた。仮面を取り息子と二人で。 【サーヴァントとしての願い】 ジョナサンの為に。 【マスター】 エイサップ鈴木 【マスターとしての願い】 ??? 【能力・技能】 オーラ力(ちから) バイストン・ウェルの人間が扱う生体エネルギー。 地上人であり聖戦士であるエイサップは強いオーラ力を持っている。 魔力の代用となるかもしれない。 ナナジン 彼の駆るオーラバトラー。 東京に来る直前まで乗っていた為、一緒に召喚された。 が、バロンズゥとの激突でどこかへ飛んで行ってしまった。 【人物背景】 アニメ版『リーンの翼』の主人公。 日本・山口県在住の大学浪人中のフリーター。日本人の母と、アメリカ人の父を持つ。 友人である朗利と金本がアメリカ軍の基地へテロを起こしに行った事で、バイストン・ウェルから召喚されたオーラシップと遭遇。 自身もバイストン・ウェルへと召喚され聖戦士となる。
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アバヨ、王子様 原題:Prince Ali (Reprise) 作曲:アラン・メンケン 作詞:ティム・ライス 楽曲:『アラジン』(1992年) バリエーション アラジン 英語 ジョナサン・フリーマン(ジャファー) 日本語 宝田明(ジャファー) ジャファーが王子に扮したアラジンの正体を暴き、遥か彼方に吹き飛ばす時に歌う。アラジンの王子としてのテーマ「アリ王子のお通り」のリプライズとして歌われる。 原曲の「アリ王子のお通り」はハワード・アシュマンが手掛けたが、「アバヨ、王子様」はアシュマンの死後に完成したことから、作詞は代役としてティム・ライスが手がけた。 アニメ映画版とミュージカル版に存在する楽曲の中で唯一、実写版には存在しない。 アラジン (ミュージカル)*(ジャファーのリプライズ) 英語 ジョナサン・フリーマン(ジャファー) 日本語 牧野公昭(ジャファー) ジャファーはアリ王子の正体が嘘つきのアラジンであると化けの皮を剥がし、彼を遠くに追放。さらにはアグラバーの支配権を得ようとサルタンに襲い掛かる。 『アラジン ブロードウェイ・ミュージカル版』『アラジン 劇団四季版』に収録。 ゲーム 『ディズニー ツイステッドワンダーランド』では、ユウが夢の中で「アバヨ、王子様」の場面を見ている。
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登録日:2013/11/15 Sat 13 29 11 更新日:2023/06/15 Thu 00 09 29NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 DIO WRYYYYY しばッ! アヌビス神 アリアリ エアロスミス エリエリ オラオラ クレイジー・ダイヤモンド ゴールド・エクスペリエンス ゴールド・エクスペリエンス・レクエイム ザ・ワールド シルバーチャリオッツ ジョジョ ジョジョの奇妙な冒険 ジョセフ・ジョースター ジョナサン・ジョースター ジョニィ・ジョースター ジョルノ・ジョバァーナ スタープラチナ スタープラチナ・ザ・ワールド スティッキィ・フィンガーズ スパイス・ガール タスク タスクACT4 トリッシュ・ウナ トンプソン機関銃 ドラララ パンナコッタ・フーゴ パープル・ヘイズ ホラホラ ボラボラ ラッシュ ワナビー 吉良吉影 声優の本気 山吹色の波紋疾走 東方仗助 東方定助 無駄無駄 百烈パンチ 空条承太郎 突きの速さ比べ 連続パンチ 突き(ラッシュ)の速さ比べか… 荒木飛呂彦先生による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズにおける攻撃の一つ。 「ラッシュ」とは本来は「突進する、殺到する」という意味で、そこから「混雑する」と表す。更に派生して今では「何度も相手を攻撃する」という意味に発展した。 少年漫画では攻撃にラッシュを使うことは珍しいことではない(代表例が『北斗の拳』のアタタタタ)が、ジョジョでは主人公や仲間が決め技として使うことが多く、 さらにその際に独特の掛け声をしながらラッシュ攻撃を行うため、特徴的な擬音やポージングなどと共に、ジョジョの代名詞の一つとして知られている。 パロディに用いられることも多い。 ○第1部『ファントムブラッド』 主人公のジョナサン・ジョースターが「山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)」でブラフォードに対し拳の連打を浴びせて撃破している。また、カプコン製作の格闘ゲームでは「青緑波紋疾走(ターコイズブルーオーバードライブ)」共々孫のジョセフも使用している。 第3部以降のラッシュとは違って掛け声はないが、攻撃している時の「ドバドバ」という打撃音が印象的。 このおかげで『オールスターバトル』では、ただ一人自身の肉体でスタンドや銃弾のラッシュと渡り合う超人振りを披露することに。 ただ、印象に残るとはいえ実際に使用したのは1度であり、さらにいうなら波紋は屍生人(ゾンビ)や吸血鬼相手に使用した場合、 その性質上、基本的には『一触必殺』なので同じ相手に何度も攻撃する必要はない。 決め技の一つに『ズームパンチ』があったり、第2部ではリサリサが「拳からの波紋がもっとも(攻撃する場合?)強力」と称するなど、 拳での攻撃が決め手となるシーンはあっても、ラッシュ攻撃は第3部までは出てくること自体が稀であった。 しかし、『Jスターズ ビクトリーバーサス』のように個性付のために「ジョナサンはラッシュキャラ」等の原作と乖離した性能設定がされることもあり、 知名度はともかく理解度の深さという意味では不遇。 半ば黒歴史と化しているPS2ソフト『ファントムブラッド』では、 ストレイツォが覚醒技を最大レベルで放つと「このストレイツォ──容赦せんせんせん(略)せん容赦せん!」 と蹴りのラッシュを繰り出すことができる。 ○第2部『戦闘潮流』 ラッシュというには微妙だが、主人公ジョセフ・ジョースターがどこから手に入れたのか、トンプソン機関銃で吸血鬼と化したストレイツォを攻撃している。 『ASB』でも技としてはあるものの、「突きの速さ比べ」の対象にはなっていない。でもミスタの拳銃は対象である。 ○第3部『スターダストクルセイダース』 ご存知、主人公空条承太郎がスタンド『星の白金(スタープラチナ)』でトドメに「オラオラ」と叫びながら何度も殴った後に吹っ飛ばす描写で有名。 回数も多く、まさにラッシュを象徴する存在と言える。ちなみに最初の犠牲者は花京院。 その中で特に有名なのは、鋼入りの(スティーリー)ダン戦にて、スタンド「恋人(ラバーズ)」で攻撃出来ないのを良い事に散々コケにされた復讐として、 3ページに渡って「オラオララッシュ」を叩き付けたシーンだろう。実は一ヶ所だけ「オラオ」になっている。これはアニメでも再現されている。 作中でも非常に印象的であるためか承太郎の代名詞ともなっており、ゲーム等でも必殺技に採用されている。 ニンテンドーDSのゲーム『JUMP SUPER STARS』でも必殺技になっている他、『ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィとのスーパータッグ技(合体技)として『ゴムゴムのオラオラ』がある。 ラスボスであるDIOもラッシュを使うが、コチラの掛け声は「無駄無駄」。 DIOと承太郎の最終決戦でオラオラオラVS無駄無駄無駄のシーンは作中屈指の名シーンとの声も。 なお、「無駄無駄」というフレーズ自体は、DIOが第1部の頃から時折使っていた。 また、ファンの間ではポルナレフの「銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)」が繰り出す高速の刺突もラッシュとして扱われる事があり、アレッシー戦ではスタープラチナとの同時ラッシュも披露した。 原作で言う「突きの速さ比べ」がシステムとして取り入れられている作品では実際に高速刺突でオラオラなどに対抗可能。 掛け声としてはアヴドゥル戦などで見せた「ホラホラ」が採用されることもある。 ○第4部『ダイヤモンドは砕けない』 本作の主人公・東方仗助はクレイジーダイヤモンドによるラッシュ攻撃の時に「ドラララ」と叫ぶ。前作の「オラオラ」の印象から「ドラドラ」と誤解されることもある。 承太郎も登場するが、あくまでサポートなので出番は少なめであり、「オラオラ」の出番も少ない。 しかも、久々に見せたのがあろうことかシアーハートアタック戦。 かつての敵のように3ページに渡ってオラオララッシュを叩き付けるも何事も無いかのようにピンピンしていたシーンに度肝を抜かれた人は数知れず。承太郎も冷や汗をかいた。 ラッシュに数えられることはあまり無いが、虹村億泰のザ・ハンドもスーパーフライ戦でガオンせずに仗助との同時ラッシュを披露したほか、レッド・ホット・チリ・ペッパー戦での連続踏み付けは名前がハンドなのに攻撃手段がフットであるため時折ネタにされる。 ○第5部『黄金の風』 主人公のジョルノ・ジョバァーナはDIOの息子(身体的にはジョナサンの息子だが)という設定であり、ラッシュの時は「無駄無駄」と叫ぶ。ハイなときには「WRYYYYYY(ウリャー)」となる。 ジョルノのスタンド『ゴールド・エクスペリエンス』には直接殴った相手を一時的に行動不能にする追加効果があり、そのためラッシュの処刑率は非常に高い。 最も有名なのは、最低最悪のゲス野郎チョコラータへのトドメとして、何と7ページ半に渡る計122回の無駄無駄ラッシュを披露した(*1)。 このシーンは最早、伝説となっている。 何気にVSギアッチョでは蹴りでラッシュを繰り出す珍しいシーンがある(大抵のラッシュは殴る)。 但し、ジョルノは主人公だがサポートに徹する事も多いので、仲間のラッシュも多い。また、そのラッシュも一風変わっているため印象強い。 ブチャラティ:アリアリアリ…アリーヴェデルチ(さよならだ)! ナランチャ:ボラボラボラ…ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きな) トリッシュ:WAAAAAAAAANNABEEEEEEEEE(ワアーナビィーー) フーゴ:うばぁしゃあああああ ○第6部『ストーンオーシャン』 主人公の空条徐倫は承太郎の娘ということもあり、ラッシュの時には「オラオラ」と父親譲りの掛け声を叫ぶ。 何だかんだでパパ大好きな徐倫である。 しかし残念ながら親子揃って「オラオラ」ラッシュをする場面は無く、実現はゲーム「アイズオブヘブン」まだ待たれることとなる。 エルメェス・コステロのスポーツ・マックス戦における「これも!これも!これも!」「グロリアのぶんだあああ──ッ!!」の渾身のラッシュも名シーンと名高い。 ○第7部『スティール・ボール・ラン』 世界観の一新に伴ってスタンドのビジュアルや立ち位置が変わり、人型のスタンドが割とメジャーだったそれまでの部と異なり、 装備型だったり特殊能力タイプが多くなったこともあり、そもそもラッシュ攻撃が出ることがなくなった。 しかし、主人公ジョニィ・ジョースターのスタンド『牙(タスク)』が最終形態で人型になり、準ラスボス相手にラッシュ攻撃を行った。 これだけでもシリーズ読者にとっては嬉しいサプライズだったが、その時のジョニィの掛け声が「オラオラ」であり、 まさしく読者にとっては「二重ショック」ならぬ「二重サプライズ」であった。 なお、これに合わせてか、予想外のラスボスとして登場したDioも(ラッシュ攻撃の時ではないが)「無駄無駄」と叫ぶシーンがあった。 ○第8部『ジョジョリオン』 主人公の東方定助とそのスタンドであるソフトアンドウェットが前部のジョニィ同様に「オラオラ」ラッシュを繰り広げる。しかし、記念すべき第一回目で「オラアラオラ」と誤植にしか見えないシーンが。 ただし『ASB』ではしっかり「アラ」が収録されたので誤字ではない。多分。 というかそもそもこのオラオラ、パンチしているように見えるが上から落ちてきた笹目をつかんだだけであった。 その後も何度かラッシュを繰り出す場面があるが、敵スタンドの堅さに負け逆に手を負傷する、飛んできた栗を粉砕すると、メインの能力はしゃぼん玉の方であるためかラッシュの方は地味なシーンだったり通用しなかったりといったことが多め。 東方常敏のスピード・キングもプアー・トム戦にてオゾン・ベイビーに対してラッシュを披露したが、オゾン・ベイビーのビジョンはあくまで術中に嵌った者に見える幻影であったため空振りに終わった。 掛け声は「SPEYAHH!!(スピイイアアア)」という独特なもの。 他のキャラだと8部吉良吉影の「WRYYYYYEEEEAッ」や、 文くんの「ウリャアアアア──ッ」など、 過去の部の登場人物の一巡後にあたるキャラが初のラッシュ 意外な掛け声を披露していたりする。 ○余談 3部を題材とした格闘ゲーム「未来への遺産」ではこれを再現したシステムが実装されていて、特定の技をかち合わせるとラッシュの応酬が発生。 ボタンを連打して速さを競い合い、負けた方のキャラは吹っ飛ばされて大きな隙を晒してしまう。(ダメージ自体はゼロ) 対応キャラクターは、ジョースター一行とDIOのみ。イギーやジョセフもしっかり参加できる。 8部までを題材とした格闘ゲーム「オールスターバトル」でも再現されており、特定の技同士で相殺すると「突きの速さ比べ」が発生する。全ての連打技が対応しているわけではなく、逆にポルナレフやミスタ(!?)のように連打以外で参戦できるキャラもいる。 ミスタのものは弾倉がどうなっているのか凄い気になるが、よく見ると原作通りキャップから弾を落としてリロードしている。じゃあキャップの中にどんな風にどんだけ仕込んでんだという話になるが。 「ホラホラ」ラッシュや「おおおお」ラッシュと言うと思うところはあるだろうが、ラッシュを比べられることを素直に喜ぼう。 本作には「スタンドラッシュ」と言う名前の「スタンド技の途中で本体だけ別行動する」システムもあるため、単に「ラッシュ」と言うと少し紛らわしい。 なお、前述の通りジョナサンはスタンドと生身でラッシュ対決する。 ちなみに、没ボイスでは全員分の声が収録されているので、元々は全てのキャラに実装するつもりだったが実現しなかった模様。 追記・修正の速さ比べか… △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ASBで声優の試練だと思った。 -- アリアリに惚れた人 (2013-11-15 17 46 03) アリアリは長かったな・・・よく言えたもんだ -- 名無しさん (2013-11-15 19 57 43) 1部の時点でジョナサンがディオを泣くまで殴ったり、ブラフォードに波紋疾走の連打をキメている。 -- 名無しさん (2013-11-16 05 45 05) 個人的にオラオラはジョースターの中でも『空条』の系譜以外は使って欲しくない。ジョニィとか定助が使ってもしっくりこなかったし(定助は実は承太郎のポジションだったんだよ!というどんでん返しが来るかもしれないけど) -- 名無しさん (2013-11-16 05 49 25) ブチャとナランチャが有りならいいだろ -- 名無しさん (2013-11-16 12 07 27) ↑『掛け声』って点ね。アリアリやボラボラはいいの。 -- 名無しさん (2013-11-19 18 23 11) ゲーム版でストレイツォがすっげー恥ずかしいsensenラッシュやってたな -- 名無しさん (2014-01-27 11 44 49) オラオラ・無駄無駄は4回まではよし、それ以上続けたらジョジョパロ認定 -- 名無しさん (2014-01-27 14 39 21) 自分でラッシュの掛け声やると口の中で舌がペチペチなるのよね… -- 名無しさん (2014-04-07 23 29 33) ASBでミスタまでラッシュ出来たのには驚いたな。しかもその時の相手がジョナサン。…つまりただの拳で銃弾止めまくる化け物が出来た。 -- 名無しさん (2014-05-20 21 30 54) 作中最初のオラオラがパンチじゃなくて首ユサユサだったのには驚いた -- 名無しさん (2014-05-20 21 45 17) さらに首根っこつかんでハンマーパンチw脳挫傷で死ぬってwww! -- 名無しさん (2014-05-28 18 12 26) ↑以外にも花京院が最初にくらってたんですよね。恐るべし承太郎(x_x) -- 名無しさん (2014-06-20 09 23 05) 定助はドラララの方がよかったな。 -- 名無しさん (2014-06-20 09 49 40) ASBでスタンドがラッシュしながら、 -- 名無しさん (2014-12-15 14 14 02) レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ -- 名無しさん (2015-08-24 14 18 43) エリエリもいれよう(提案) -- 名無しさん (2015-11-21 11 26 37) ポルナレフのホラホラもそうだろうか -- 名無しさん (2015-12-12 16 52 02) ↑15 まさか、定助がマジで空条の系譜である可能性が浮上してくるとは誰が予想できただろうか -- 名無しさん (2016-01-19 20 57 51) チョコラータもさり気無くやってるのよね -- 名無しさん (2019-06-16 13 37 50) マッハオラッ -- 名無しさん (2019-10-27 21 52 15) ポルナレフもラッシュはしたことあるけど意外に掛け声ないのな -- 名無しさん (2019-11-10 19 35 21) 聞いてて気持ちいい -- 名無しさん (2019-11-14 12 14 13) ネタなのは分かってるけど、修正の速さ比べって編集合戦じゃないですかね…w -- 名無しさん (2019-11-14 12 22 23) タイタスさん「ウルトラララララララ!」 ベリアル「ベリベリベリベリベリベリ!」 -- 名無しさん (2019-12-09 21 43 37) ラッシュ攻撃をやったことが無いという点でもジョセフって異色のジョジョなんだな。(そして機銃攻撃は複数回やったことがある) -- 名無しさん (2019-12-20 17 41 40) 名前 コメント
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マーク別カードリスト J J:JOJO専用 ジョナサン・ジョースター/英国紳士 ジョセフ・ジョースター/誇り高き血統 ジョーイ/神砂嵐 ジョセフ/戦いの年季
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鈴木佑治 出演作品 TV:実写 ウェイバリー通りのウィザードたち(ラムウッド捜査官【ジョナサン・カイト*】(#79)) ブログ犬 スタン(ベネット・ジェームズ【リーガン・バーンズ】) 実写 ミリオンダラー・アーム*(アミト)
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アメリカ United States of America アメリカアメリカ代表 アメリカ代表 背 ポジ デフォルト リネーム NAME 所属チーム 備考 1 GK ハラーソ ティム・ハワード HOWARD エヴァートン(ENG) ダブリ 15 CB デルナース ジェイ・デメリット DEMERIT バンクーバー・ホワイトキャップスFC(CAN) 5 CB オリーブ オグチ・オニェウ ONYEWU ACミラン(ITA) ダブリ 6 SB チリンドロ スティーブ・チェルンドロ CHERUNDOLO ハノーファー96(GER) 3 CB ボナセルナ カルロス・ボカネグラ BOCANEGRA サンテティエンヌ(FRA) ダブリ 4 DMF ブロウニー マイケル・ブラッドリー BRADLEY ボルシア・メンヒェングラートバッハ(GER) 13 DMF クリング リカルド・クラーク CLARK アイントラハト・フランクフルト(GER) 10 ST ドオタン ランドン・ドノヴァン DONOVAN ロサンゼルス・ギャラクシー 8 OMF デューレイ クリント・デンプシー DEMPSEY フラム(ENG) ダブリ 20 CF フィナーデン ロビー・ファインドリー FINDLEY レアル・ソルトレイク 17 CF アストーレ ジョスマー・”ジョジー”・アルティドール ALTIDORE ビジャレアル(SPA) ダブリ 18 GK グルトン ブラッド・グザン GUZAN アストン・ヴィラ(ENG) ダブリ 23 GK ハートロン マーカス・ハーネマン HAHNEMANN ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ(ENG) ダブリ 2 CB スパーティオ ジョナサン・スペクター SPECTOR ウェストハム・ユナイテッド(ENG) ダブリ 21 CB グスタフォン クラレンス・グッドソン GOODSON IKスタルト(NOR) 12 SB ボントフェイン ジョナサン・ボーンスタイン BORNSTEIN クラブ・デポルティボ・チーヴァス・USA 19 DMF エスロ モーリス・エドゥ EDU レンジャーズFC(SCO) ダブリ 16 DMF メセトラム ホセ・フランシスコ・トーレス TORRES CFパチューカ(MEX) 22 CMF ファイランダー ベニー・ファイルハーバー FEILHABER オーフスGF(DEN) 11 SMF ホールトン スチュアート・ホールデン HOLDEN ボルトン・ワンダラーズ(ENG) ダブリ 7 WG ベヤグリー ダマルカス・ビーズリー BEASLEY ハノーファー96(GER) 9 CF ゴドラー ヘラクレス・ゴメス GOMEZ プエブラFC(MEX) 14 CF バターン エドソン・バドル BUDDLE ロサンゼルス・ギャラクシー